日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2015年6月15日更新

01.*CLEAN AGE 242号

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*JSDA賛助会員企業の紹介



さまざまな分野

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日本石鹸洗剤工業会のサポーター 賛助会員企業の紹介

8. 香りで製品の付加価値を高める 香粧品香料 分野


image 化粧石鹸やシャンプー、洗剤などには多くの場合、製品の使いやすさ向上や差別化のために香料が使われており、近年は生活を豊かに楽しむ観点からもそのニーズが高まっています。
 当工業会には、現在5社の香料メーカー(小川香料、塩野香料、曽田香料、高砂香料工業、長谷川香料)が賛助会員として参加していますが、今回はその代表として、業界団体の日本香料工業会にお話を伺いました。

高品質で安全な香料を提供する業界の取り組み

日本香料工業会

お話を伺った方々:
日本香料工業会 専務理事 染谷太一さん、金井弘好さん、 香粧品香料委員会 浅越 亨さん、今野悦郎さん、鈴木 敦さん


 皆さんご存知のリンゴの香りには、300以上の香り成分が含まれています。つまり香りとは、多数の化学物質の集まりなのです。リンゴの品種によって香りが違うのも、香り成分の組み合わせや含まれる数が異なるためです。

 自然界に、香りのある物質は40万種もあるといわれ、紀元前3000年頃からそうした物質を植物などから抽出し、香油として利用していました。また、成分の分析をすすめて、自然界の香りと同じ分子構造の香料を合成する技術も19世紀後半頃から飛躍的に発達しました。

 現在、国内では天然香料と合成香料を合わせて約5~6千種の原料が流通しています。製品の香り付けには普通、原料を数十~数百種類ブレンドした調合香料を用います。用途は食品香料と香粧品香料の2種類あります。食品香料は加工食品や飲料、菓子などの風味を補い、香粧品香料は石鹸やシャンプーなどの化粧品や医薬部外品、洗剤や柔軟剤、芳香剤などの香りづけに使われています。世界的にみると、食品香料と香粧品香料のシェアは約半々ですが、日本に限れば食品香料が約9割、香粧品香料が約1割となっています。この理由は、香水の国内生産が欧米に比べて圧倒的に少ないためで、ほのかな香りを好む日本独特の嗜好が垣間見えるようです。

 石鹸や洗剤などに添加される香料の量自体はごくわずかですが、その安全性に関して、日本香料工業会と会員各社は積極的な取り組みをしています。香粧品香料の場合は、製品が実際に使用される状況をふまえ、身体に悪影響のないことを重点的に確認します。これは天然香料も合成香料も同じです。たとえば、天然の花の香りのなかには毒性が強いものや、紫外線によりアレルギー反応を起こすものもあります。その原因物質を特定して取り除き、安全な香料を開発することも行なわれています。

 また、国内の香粧品香料の製造・販売には、医薬品医療機器等法(旧薬事法)などの関連法規のほか、国際的な業界自主基準による規制もあります。香粧品香料の安全性評価は、国際的な研究機関RIFMが専門的に手掛けており、この評価結果をもとに、日本香料工業会をはじめ21の国と地域の業界団体が加盟するIFRAが、香料を安全に使うための自主基準を定めています。日本香料工業会は、このIFRAの自主基準を会員に遵守させ、より高い水準での香料の生産・品質管理を推進しています。

<香粧品香料の安全性を管理する国際的な体制>


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 番外編 ~身近な香りを観る・創る・学ぶ~

磐田市香りの博物館

お話を伺った方々:
磐田市香りの博物館館長 竹澤 敏之さん

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 当館は、世界でも数少ない“香り”をテーマにした博物館です。香りの文化は、宗教儀式に香りを供えたことを発端とし、次第に“楽しむ”という遊びの要素を濃くしていきました。常設展示では映像を多用し、日本と西洋の香りの文化史をわかりやすく学べるよう工夫しています。

 来館する皆さんには、身近な香りについてもっと知っていただきたいので、四季の企画展ではなるべくいろいろな香りを掘り下げてご紹介し、実際に香りを嗅ぐことができる体験型の展示や講座などの連動企画にも力を入れています。子供向けの講座では、こんな実験もしています。まず砂糖水を何杯か用意し、それぞれにレモンやオレンジなどの香料を入れて、数種類の美味しい飲料をつくります。それを鼻をつまんで飲んだらどうなるか? 結果は、砂糖水の味はするものの、まったく美味しくありません。食品の美味しさは味だけでなく、香りと一体となってはじめて感じられるものだからです。子供達もこれにはびっくり、実験は大好評でした。

 また、「香り・薫り」「匂い」「臭い」と、言葉の表現が複数あるように、良い香りだけではなく不快な臭いもあります。イヤな臭いを打ち消して好ましい環境にするのもまた香りの役割であり、生活のさまざまな場面で、香りの効能が活かされています。

 最後に、当館でぜひ立ち寄っていただきたい場所が「香りの体験コーナー」です。調香師のように香料を調合し、自分だけの香水をつくるめずらしい体験もできるので、男性も女性も、ぜひ挑戦してみていただければと思います。

調香体験の様子

~ 磐田市香りの博物館について ~
 1997年に豊田町(現磐田市)により設立。当工業会賛助会員の高砂香料工業(株)磐田工場が、近隣企業として協力をされています。年間約2万人の来館者があり、香りにまつわる四季折々の企画展や、香水づくりが体験できるコーナーが人気を集めています。

■所在地:静岡県磐田市立野2019-15
■夏季企画展:7月11日~10月12日まで『南蛮文化の香り』を開催
■休館日、料金、講座などの詳細は博物館ホームページでご確認ください  http://www.iwata-kaori.jp/





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