【症 状】
(1)希釈液をなめたり,一口飲んだ場合
●口腔内に弱い刺激や痛みがみられることもある。
(2)原液または多量の希釈液を飲んだ場合
●咽頭,食道,胃腸に対して痛みや炎症を生じる。嘔吐,吐血,灼熱感,さらに虚脱状態,チアノーゼ,呼吸障害,昏睡状態や,食道・胃の穿孔も考えられる。
【毒性データ】
●急性毒性:LD50値
原液(塩酸9.5%)(マウス,経口投与)2〜3mL/kg
10倍希釈液(塩酸1%)(ウサギ,経口投与)100mL/kg
(1)希釈液をなめたり,一口飲んだ場合
◎毒性上ほとんど問題ないが,まず水で口をすすぐ。
◎誤飲したものを薄めたり,食道や胃粘膜を保護するために,念のためコップ1杯程度の牛乳または水、あるいは生卵を飲ませる。
◎様子がいつもと違う場合は医師に相談する。
(2)原液または薄めた液を多量飲んだ場合
◎すぐにコップ1〜2杯の牛乳または水、あるいは生卵を飲ませた後,医師に相談する。
×無理に吐かせてはいけない。吐物や泡が気管にはいると肺炎を起こす可能性がある。自然に嘔吐が生じた場合は,吐物を吸入しないように注意する。
●誤飲食により嘔吐した場合は、飲んだものや吐物などが気管に入る「誤嚥」を起こす可能性があり、窒息や誤嚥性肺炎の原因となることがある。
嘔吐がない場合でも、高齢者は一般的に、飲み込む機能(嚥下機能)の低下により、飲食物を誤嚥しやすくなる。
直後に症状がなくても経過を観察し、いつもと様子が異なる場合は、医師の診察を受ける。
◎直ちにマグネシア乳液を短い間隔でくり返し与える。
×重炭酸ナトリウム(重曹)などの服用は炭酸ガスが発生するので避ける。
◎多量飲んだ時や症状によっては胃洗浄を行う。
【症 状】
●酸性が強いので刺激は大きい。しかし,非進行性なので処置が適切であれば軽症にとどめることができる。
◎すぐに充分な流水で15分以上洗眼する。
◎症状が軽減しない場合,医師に相談する。
【症 状】
●濃い液が皮膚または粘膜に付着すると,その箇所に炎症をおこす。炎症の程度は濃度と接触時間によって異なり,かゆみ・痛みを覚える。一般にその作用は瞬間的で非進行的である。これはタンパク凝固により不溶性になるためである。
◎多量の水で酸分が完全に除かれるまで,充分な時間をかけて洗い流す。この場合,アルカリ液で中和しない。
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