日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
home JSDA概要 沿革 組織・会員 統計 資料・刊行物 リンク 総目次 English
JSDAの活動 安全と環境 石けん洗剤知識 役立つ情報 クリーンキャンペーン CLEAN AGE
2014年9月16日更新
01.*CLEAN AGE 239号 *目次へ 
参照カテゴリ> #組織 


*JSDA賛助会員企業の紹介



さまざまな分野

←前へ 次へ→

日本石鹸洗剤工業会のサポーター 賛助会員企業の紹介

5. 製品を保護する包装材を供給 パッケージ分野


 今回は、製品を安全に使いやすいかたちで提供するための包装材を扱う賛助会員企業から、2社をご紹介します。

◆パッケージ 分野の賛助会員はこのような企業です

-

パッケージの未来を創造力できりひらく

大日本印刷 株式会社

お話を伺った方々:
包装事業部 開発本部 製品開発部 部長 中込 隆さん、同部 グループリーダー 平井 裕一さん、柴田 あゆみさん


 大日本印刷の包装事業は、戦後復興期に、タバコやキャラメルの紙箱、特殊印刷を施した即席麺の袋包装などからスタートしました。比較的早い時期から、紙や各種のフィルム、プラスチックを扱い、ガラス瓶や金属缶に代わる薄くて軽いパッケージを実現してきた歴史があります。

  初期に力を入れたのが、練り歯磨きの金属チューブからラミネートチューブへの転換でした。プラスチック素材や紙などの張り合わせ方を調整して、指で楽に押し出しやすいチューブを作ると、やがて倒立型が主流になり、今度は、中身がすべり落ちやすくするためにつぶれにくいものが必要とされました。このように、開発条件はさまざまで、しかも常に変化するので、課題の解決には毎回苦労します。

 包装容器というのは、中身と切り離して考えることはできません。意外に思われるかもしれませんが、当社は中身を詰める充填機の開発も得意としています。充填は、中身の製造メーカーが行なうので、当社はたとえば、ポーションミルク用のシートと、無菌下で充填ができる特殊な機械を一緒に提供します。また、PETボトルのようにかさ高い容器を、輸送時には小さくできたら効率的です。そこに着想し、試験管のような形のPETボトルのプリフォームを納品先の飲料メーカーでふくらませて無菌充填するシステムを開発、世界で初めて導入しました。包装システム全体を設計することで、容器を小さく・薄くしたり、効率面を改善したりと、コストと環境の両面でメリットが提供できるのです。

 洗剤の容器では、詰め替え用パウチがかなり普及し、本体ボトルの再利用による省資源やゴミ削減に貢献しています。また、パウチ容器の素材から環境配慮をしようと、枯渇資源の石油の代わりに、サトウキビ由来の原料を一部使用したバイオマスPETフィルムなどを開発しました。廃棄後の容器を焼却する際はCO2が排出されますが、植物は光合成によりCO2を吸収するため、全体のCO2は増加しません。バイオマスPETフィルムの各製造プロセスを調査し、全ライフサイクルにおけるCO2排出量を算出したところ、石油由来の従来品に比べて10%削減できることもわかりました。パウチ容器の需要の高さを考えれば、これは大きな効果です。

バイオマスPETフィルムのライフサイクル

 また、アルミを気化して被膜したアルミ蒸着バイオマスPETフィルムの開発も世界で初めて成功し、2014年8月に販売を始めました。酸素や水を通さず遮光性にも優れていて、バイオマス素材も従来品のように広く使える時代になったといえます。このPETフィルムのほかにも、PEフィルムや成型品等のラインアップがあります。

 今後も独自の発想から、新しい価値につながるパッケージを作り続け、提案していきたいと思います。



-

製紙一貫を強みにトータルパッケージングを提供

王子パッケージング 株式会社

お話を伺った方々:
代表取締役社長 畑迫 信二さん、常務取締役 営業本部長 小室 鉄也さん、営業本部 紙器営業部 部長 佐々島 隆之さん


 王子パッケージングを含む王子ホールディングスの原点は、約140年前、国策のもと洋紙の生産を始めたことに遡ります。現在の事業は製紙にとどまらず、グループ総売上の約半分が紙の加工事業によるものです。そのうちの紙器加工の中枢を、王子パッケージングが担っています。

 本社を置く東京都江戸川区と静岡の両事業所に構えた自社工場は、どちらも製紙工場の敷地内にあります。グループ会社で森を育て、木材や古紙をパルプにして多種の紙を生産していることは、当社の強みです。注文に応じた紙の開発から、加工・印刷を施した紙器の製造まで、一貫して対応することができるからです。さらに、グループにまたがる紙器加工事業を連携させれば、小売店用の紙袋から輸送用の頑丈な紙コンテナまで、あらゆるモノを「紙で包む・運ぶ」トータルパッケージングの提供が可能です。

 紙にできないことは金属の代用くらいで、高度な加工技術を用いると、さまざまな付加価値が生まれます。加工例としては、食品包装向けに安全性を高めた耐油加工紙や、嗜好品向けの高級感ある高輝度加工紙などがあります。

 石鹸・洗剤などの紙容器は一見シンプルですが、これは洗剤メーカーが、省資源で環境に優しく、消費者にとって扱いやすい製品容器を追求してきた結果なのです。紙器の構造は簡素でも、品質保持にかかせない防湿機能や、店頭でインパクトを与える広告媒体としての役目も持ちます。そのため、各メーカーが要望する紙の質や光沢の加減、ブランドに特有の色合いなどを、コストを抑えつつ的確に表現する技術が当社には要求されます。また、納品は通い箱で行ない、そのまま充填ラインにセットされるため、あらかじめライン適正を考えて紙器を設計し、検品なしですぐに充填を開始できる品質で提供することも重要です。多様なニーズに対し、当社の持てる技術やネットワークを駆使して、応えていきたいと考えています。

 東京事業所は、23区内に唯一残る製紙工場の中にあり、環境対策にも特色があります。製紙過程で出る黒液という廃液や木くず・紙くず等のバイオマス燃料から自家発電を行ない、消費電力の大半をまかなっています。施設の省エネルギーにも努め、電力使用が一定量を超えると警報が鳴り、エアコンが即座に止まります。また、グループ本部の環境経営部では工場の廃棄物・排気・騒音・振動からインクの成分に至るまで、細かく環境対策をしています。

 おかげさまで今年、江戸川区から、地域の住みよい環境づくりに貢献する企業として表彰されました。地域密着型の経営は、全国各地に拠点を持つ王子グループの良き伝統のひとつだと、自負しています。

粉末洗剤の容器に使われる原紙の構成




▲上へ

HOMEJSDAの活動安全と環境誤飲誤用石けん洗剤知識役立つ情報クリーンキャンペーンCLEAN AGEこどものページJSDA概要沿革組織 会員統計資料 刊行物リンク総目次English

日本石鹸洗剤工業会 (JSDA)

© Japan Soap and Detergent Association 2000