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2014年3月15日更新
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*JSDA賛助会員企業の紹介



さまざまな分野

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日本石鹸洗剤工業会のサポーター 賛助会員企業の紹介

3. 洗浄力を高める助剤を供給 ビルダー(洗浄助剤)分野


 洗濯用洗剤のビルダー(洗浄助剤)には、アルカリ剤、水軟化剤、分散剤の3種の役割があり、相乗的に効果を発揮して界面活性剤の洗浄力を高めています。今回は、ビルダーを供給する賛助会員企業から2社をご紹介します。

◆ビルダー(洗浄助剤) 分野の賛助会員はこのような企業です

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良質な米国産天然ソーダ灰の輸入販売事業を展開

ソーダアッシュジャパン 株式会社

お話を伺った方々:
代表取締役社長 小出 健彦さん、業務部長 山田 良雄さん、
社長補佐 小西 英登さん


 当社、ソーダアッシュジャパンは住友商事の100%子会社として米国産天然ソーダ灰の鉱山および工場への投資、米国ソーダ灰輸出組合(ANSAC)の対日総代理店としての輸入ならびに国内販売を行なっています。

 ソーダ灰は化学名を炭酸ナトリウム(Na2CO3)といい、歴史は古く紀元前2500年エジプト文明でミイラの製造に使われていたそうです。しかし現在では板ガラス、ガラスびん、粉末洗剤、鉄鋼スラグ、各種化学品、食品など幅広い分野の原料として世界各国で使用されています。身近なところでは、食品のラーメンの麺のコシを強くしたり、こんにゃくを固めるのに使われたりもします。粉末洗剤に使用される理由は、そのアルカリ特性が皮脂などの酸性汚れの除去に有効なためで、ビルダー(洗浄助剤)と呼ばれ洗浄力の向上に寄与しています。

 また、製造方法としては鉱石(トロナ鉱石)を精製したものと海水塩(塩化ナトリウム)から化学的に合成したものの2種類があります。このトロナ鉱石から製造した天然ソーダ灰は後者(化学合成品)に比べてシンプルな工程で製造コストが安価です。

 当社の輸入販売している米国ソーダ灰のトロナ鉱石の鉱山および精製工場は米国西部ワイオミング州に位置します。このトロナ鉱石は新生代の約5千万年前に湖の堆積物から発生した炭酸ガスと、周辺の火山が噴火したナトリウムの多い灰が400 万年かけて化学反応したもので、鉱床は1300億トンと世界最大で、1000年分以上の埋蔵量と言われています。地下数百メートルに埋蔵している鉱石を採掘して地上の精製工場で焼成、溶解、ろ過、乾燥してソーダ灰を製造します。

天然ソーダ灰の精製工程

 これを専用船で輸送し国内に3カ所の輸入基地と5カ所のストックポイントに保有して、お客さまの要求に応じたさまざまな荷姿に対応してきめ細かい物流やサービスを提供しています。販売代理店、お客様、供給拠点、輸送会社とはオンラインで結んだ受発注システムを通じて確実かつ迅速なデリバリーを実現しています。

 また最近は当社ではソーダ灰で培った知見や販売チャネルを生かし、セスキ炭酸ソーダ、ボウ硝などの各種洗剤ならびに入浴剤原料の輸入販売も行ない、事業の展開を図っています。



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研究開発力を武器に白土から多種の応用品を提案

水澤化学工業 株式会社

お話を伺った方々:
取締役 丹呉 長之輔さん、営業統括部 吸着機能材営業部 第一グループマネージャー 日下部 泰宏さん、管理室 総務人事グループマネージャー 小嶋 和彦さん


 77年前の創業時から国内生産を続けている活性白土は、モンモリロナイトという粘土鉱物が原料で、石鹸洗剤とはなにかと縁があります。昔は髪の洗い粉などに用いられ、現代では界面活性剤の原料油脂から不純物を吸着除去するなど、精製剤として白土が活躍しています。当社はこの白土を基軸に、応用物であるシリカ・アルミを中心とした多種の化学品へと枝葉を広げてきました。粉末洗剤のビルダー(洗浄助剤)、ゼオライトもそのひとつです。

 洗濯には水がつきものですが、水や汚れに含まれる硬度成分のカルシウム・マグネシウムイオンは界面活性剤の洗浄力を著しく阻害します。そこで、水軟化剤としてゼオライトなどを洗剤に配合しています。ゼオライトには高いイオン交換能力があり、硬度成分を捕捉して軟水化します。

ゼオライトの結晶、イオン交換による軟水化

 ゼオライトは多種ありますが、洗剤用には、白土から合成したアルミノケイ酸塩を、ひと粒約1ミクロン程に調整したものを開発しました。ごく微細で、粉末洗剤をサラサラの状態に保ち、水中では洗剤成分を引き連れて素早く均一に分散するので効率的に軟水化できます。落ちた汚れが布に再付着するのを防止する効果もあります。

 当社では合成洗剤が登場する以前から、ビルダー用ゼオライトの研究を始め、1960年代に入って、陽の目を見ることになります。瀬戸内海や琵琶湖などで水質汚濁による問題が起き、その一因といわれたリン分が、洗剤の水軟化剤として使われていたため、その代替品に、イオン交換性を持つゼオライトが選ばれたのです。

 しかし、ゼオライトは水に不溶性で、粉末洗剤への配合も初めてでしたから、粒子を微小に揃える改良や、環境安全性の検証も必要でした。粉末洗剤の無リン化を推進する日本石鹸洗剤工業会や、欧州のゼオライトメーカーにも協力をあおいだ末に、生産再開に漕ぎつけることができました。日本における迅速な洗剤の無リン化に貢献できたのも、当社の白土精製技術や粒度コントロール技術によるところが大きいと自負しています。その後は、国内で粉末洗剤が減少する一方、東南アジアでは引き続き需要が高いことから、ビルダー用ゼオライトの生産拠点を1989年からタイに設け、供給を続けています。日本ではビルダー用ゼオライトの技術を活かし樹脂添加剤、触媒、吸着剤と多岐にわたり関連製品を生み出しています。

 また、当社の白土を応用した別の例として、近年の“柔軟仕上げ剤入りの洗剤”があります。粘土鉱物の機能を利用し、繊維に柔軟性を付与する技術を開発したことで、それまで不可能だった柔軟剤と洗浄剤の同時配合を実現しました。今後とも研究開発に注力しながら、独創的な提案をしていきたいと考えています。




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