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2013年9月15日更新
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*JSDA賛助会員企業の紹介




さまざまな分野

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日本石鹸洗剤工業会のサポーター 賛助会員企業の紹介

1. 洗剤類の主原料を供給 油脂・界面活性剤 分野


 石鹸や洗剤などの主原料を供給するメーカーの中から、2社をご紹介します。

◆油脂・界面活性剤 分野の賛助会員はこのような企業です

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植物系油脂の精製・加工技術が得意分野

不二製油 株式会社

お話を伺った方々:営業本部 第一営業部門 第一部 部長 大森 達司さん、経営企画本部 IR・広報部長 隈部 博史さん


 パームやココヤシなどの植物油を原料に、自社工場で精製や分別を行ない、さまざまな機能を持つ油脂を開発しています。特にパーム油は世界で最も消費されている油で、国内でも主に食用として消費量が伸びています。当社は、国内最大のパーム油取り扱いメーカーであり、食用油脂とその加工食品を主体に事業を展開しています。

 一方、洗剤類の原料など、非食用油脂も1950年の創業時から手掛けてきました。油脂メーカーとしては後発だった当社は、戦後の輸入大豆や菜種の割り当てを受けることができませんでした。そこで、まだ馴染みの薄かった南方系の油に目を向け、国内で唯一ヤシ油を搾油して、石鹸や洗剤の原料として加工をはじめた、という歴史があります。

 ヤシ油は、現在は原産地のフィリピンの工場で、ココヤシの実の白い果肉を乾燥させた「コプラ」から搾油しています。パーム油はマレーシアの工場で、果肉からとれるパーム油と、種からとれるパーム核油の2種類を加工しています。パーム油は牛脂と似ていてオレイン酸系、パーム核油はヤシ油と同じラウリン酸系で、それぞれ性質が異なります。そのままでは、不純物やいろいろな融点の成分が混ざっていて原材料としては使えないため、精製や、融点ごとに分別するなど、加工度をあげて安定させます。この加工技術が、当社の最も得意とするところです。

パームの実、ココヤシの実

 油脂を分別すると、融点の違った油脂に分かれます。融点の高いものはチョコレート用、低いものは揚げ油など、それぞれを食用・非食用のさまざまな用途に利用します。その際、どのような製品の原材料とするかによって、水素添加をして融点を上げたり、酵素エステル交換で特定の脂肪酸の割合を増減させたりと、種々の技術を組み合わせて加工しています。洗浄剤の場合は、洗浄性や起泡性、シャンプーを使った後の髪のキシミにくさといった、各製品設計に応じて、いったん分別した油脂を再び混ぜ合わせ、品質の安定したオリジナルの油脂をつくるのです。

 開発過程で細かなやりとりをしながら、精製技術を向上させてきたことが、各社各様のご要望にお応えするうえで活きています。また、ヤシやパームの原産地に自社工場を構え、独自に搾油や加工を行なっていることは当社の大きな基盤となっています。

 植物油脂を、高品質な原料として今後も安定的に供給するには、地域社会や環境への影響も認識しながら、持続可能な生産に協力することも重要です。パーム油については、国際的な連携の場であるRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に正会員として加盟し、国内工場でRSPO認証のパーム油を供給する体制も整えています。



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自社技術を駆使し原油から化学製品を一貫生産

JX日鉱日石エネルギー株式会社

お話を伺った方々:機能化学品本部 機能性ケミカル部長 庄中 淳さん、 同部部長 北園 浩司さん、同部 機能原料1グループ マネージャー 鏑木 秀和さん


 天然資源である原油を海外から輸入し、国内にある自社の製油所と製造所で、石油化学製品を一貫生産しているのが当社の特色です。原油からつくられる石油製品は、ガソリン、灯油、軽油などの燃料がおなじみですが、これらは何百種類もの成分が混じったもので、さらに蒸留や精製をくり返して、自動車、電器、電子といった多様な分野で使われる石油化学製品を製造しています。

 そのひとつが、当社が洗浄剤メーカーへ販売している、LAB(リニアアルキルベンゼン)です。製油所で灯油から抽出したノルマルパラフィン(炭素数10〜13のもの)をもとに、製造所で製品に加工したものがLABで、これが洗剤類の主成分として代表的な界面活性剤、 LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩)の原料になります。

 ご家庭で使われることが多い灯油は、原油を蒸留・精製してつくる段階で、硫黄分や重金属を取り除くことはもとより、ほかの燃料に比べて厳しいJIS規格が決められています。その基準をすべてクリアした灯油から、ノルマルパラフィンだけを抽出します。その際、熱や化学反応は一切加えず、モレキュラーシーブという特殊な触媒を用いることで、分子レベルでノルマルパラフィンを吸着して取り出すことができる仕組みです。その後さらに精製・合成してLABを製造しています。現在、日本全体で年間約1億9700万kLの原油を精製しており、そのうちLABの生産量は約9万kLと少ないですが、当社では、洗剤などの生活必需品の生産を支える重要な製品と位置づけています。

 界面活性剤は、1960〜70年代にかけて、環境中での生分解性に優れたタイプへと転換がすすみ、当社も当時、洗浄剤メーカーからのご要望で、従来型のBAB(ブランチアルキルベンゼン)から、新たに設計したLABへと生産を切り替えました。LABの分子は、炭素が一直線に連なる直鎖構造のため、下水処理場や河川水中で微生物によって分解されやすい特徴があります。洗浄剤メーカーは、このLABを独自に加工して界面活性作用をもたせ、生分解性や洗浄力などに優れた界面活性剤LASをつくっています。

従来型のBABからつくった界面活性剤、LABからつくった生分解性のよい界面活性剤LAS

 LABは界面活性剤の原料となる、当社石油化学製品の主力製品のひとつです。石油製品は、原油を精製してさまざまな成分が同時に生産されることが特色で、必要な成分だけを得ることは困難です。また、原油の質によって含まれる成分の割合も変化します。どの資源もムダにすることなく有効に活用するためには、当社の石油化学技術を駆使して、需要に応える魅力的な製品を多く展開していくことが重要だと考えています。


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