ファインケミカルの分野を基幹事業としている当社も、始まりはわが国での石けん産業の勃興期にさかのぼります。明治37年に操業したときは、共栄社石鹸製造所という社名でした。明治42年発売の純国産石けん「ライト」(A)は、庶民に質のよい石けんを提供したいという創業者の想いから生まれた製品でした。創業者は敬虔なクリスチャンでしたから、“共栄社”とは、「協力し、共に栄える」という精神を、会社の基本理念として表したものなのです。
そんな共栄社らしい、ユニークな慣習があります。まず、クリスマスイブの12月24日に、社員全員に配られるケーキ(B)です。一見なんの変哲もないようですが、大阪本社では社長みずから味見をして、特注するケーキ店を決めているくらい、想いがこもっているんですよ。各支店あわせると、総数は300個以上にもなりましょうか。奈良工場・研究所では特に数が多いので、当日は大量のケーキが、冷房をかけて急造冷蔵庫にした会議室に運び込まれます。社員の家族やお子さんにも、とても好評なようです。このクリスマスケーキは、イブを家族で楽しく過ごして欲しいという社長からのメッセージですね。
また、社員の誕生日にも、毎年異なるプレゼントが贈られます。昨年は食器セット(B)がカード付きで自宅に届きました。
どちらも30年以上も続く共栄社名物です。
そして、数年に一度は社員旅行もあります。当社の「100年史」には、昭和27年ごろの国内慰安旅行の記録が載っているのですが、なんでも当時は宴会でのアルコールが禁止されていたのだとか…。これも相当ユニークでしたが、もちろん今はアルコールもOKになっています。
めまぐるしく変化する世の中にあって、このような慣習が何十年と続いていることは、共栄社らしい精神の表れといえるでしょうか。ブレないところは業務にも通じます。研究もそうですが、社内報とは別に発行する社報「KYOEI」(C)は、社外への情報発信を続けて50年近くになります。
近年は、これからの共栄社を担う若手社員を対象に、懸賞論文を募る機会を設けています。小さな改善案から開発アイディアまで、提案した若手が中心となり、実現に向け皆と協力して進めていかなければならない、というのがミソで、周囲も期待を込めて見守っています。 (管理本部 総務部長 西槇博嗣さん・部長代理 砂川義之さん 談)
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