繊維工業用石けんの製造からスタートして約90年、長い歴史のおかげで、油脂会社の草分け的存在に数えていただき、現在では食品部門と油化部門が両輪となっています。
江戸名所とうたわれた堀切菖蒲園にも近く、綾瀬川河畔に建つ東京工場には、創業者の想いを今に伝える遺産があり、ちょっとしたじまんとなっています。まだ工場緑化がめずらしい時代から、できるだけ工場内に木を植えようという方針があって、構内には小さいながら森のようにも見える一角があります。このなかに、伏見稲荷をお祀りさせていただいていますが、赤い鳥居のトンネルも社殿(A)もなかなかですよ。これは全国の支店工場にもあり、それぞれ規模は異なりますが、各工場長などが毎年お正月には伏見稲荷へ安全祈願、商売繁盛などの祈願に詣でて、分祀していただいて大切にお奉りしているものです。
そのお稲荷さんの隣には、なんと茶室(B)があります。昭和63年に京都から宮大工を呼んで建て替えたもので、銅板葺きの立派な茶室とその前庭が趣を添えています。現在も社内の茶道部の活動や社員の憩いの場となっています。
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そうでした、部活といえばちょっとユニークなのもありますよ。「太鼓部」(C)。これなんか、あるというだけでじまんできそうですね。和太鼓の演奏を楽しんでいるのですが、その創部のきっかけは、昭和62年に納涼祭りをおおいに盛り上げようという社員有志の声からでした。なかなかの腕前で、社のイベントに華を添えてくれる存在です。
東京工場でマーガリンの製造を始めたのは、戦前からでした。戦後もしばらくはパン食もまだ普及していない頃で生産は小規模でしたが、今は当社のメイン事業に成長しました。食品分野は人の暮らしに近い事業ということもあって、特に地域と人とのつながりを大切にしています。太鼓部ができるきっかけとなった納涼祭りは、工場内を地域の
皆さんに開放し、800人が来場するほどの盛況ぶりでしたが、残念ながらこの催し、今は事情があってお休みしています。いずれまた復活できたらいいのですが…。
また「葛飾の川をきれいにする会」や、地域のお祭りに参加したり、工場周辺の清掃を行なったりもしています。こうした活動も続けていきたいですね。(執行役員油化営業部長 松丸光昭さん・総務部副部長 雫石秀明さん 談)
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