西宮市と尼崎市の境、武庫川河口の東に位置する尼崎工場内には、今も古いれんが造りの建物が、現役で使われています。このれんが建築こそ、「ウチのぷちじまん」のひとつ…というより、もしかするとこれは日本の油脂工業の歴史遺産のひとつ、というべきかも知れません。
ちょっと大きく出ましたが、実際このれんが建築は、日本のせっけんやグリセリン製造の黎明期を見てきた証人なのです。1910(明治43)年9月に世界の石鹸業界に君臨したイギリスのリーバ・ブラザース社がこの地に進出してきた当時は、あたり一面葦の生える海辺の淋しいところだったそうです。彼らイギリス人はやることが徹底していて、せっけん、グリセリンや硬化油の機械設備一式をはじめ、建物用のれんがまで、本国からわざわざ運んできたのだそうです。だから、現存する建物(A)(B)に使われているれんがも約100 年前のイギリス製。(写真(B)は神戸新聞提供)。
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その後いきさつがあって、1937(昭和12)年に、当社がこの工場を譲り受け、現在に至っています。ええ、もちろん、今もここで立派に稼動していますよ。びっくり。
次は、ちょっと変わり種の「ウチのぷちじまん」を紹介しましょう。宇宙ロケットのブースターには、当社の推進薬が使われているので、種子島にも事業所があるのです。次の写真は、宇宙航空研究開発機構さんから借りてきたものです。
古い分野から新しい分野まで、なかなか多彩な事業をやってますよ。まさしくそれを象徴している、「バイオから宇宙まで」というキャッチフレーズを、一貫して掲げ続けていることも、ふろくのぷちじまんでしょうか。
この短い文言には、目に見えない微生物の世界から無限に拡がる宇宙空間までの広範な分野に、新しい価値を創造するというロマンが込められています。1984(昭和59)年に筑波研究所でバイオ研究がスタートしてから使われはじめ、現在の「経営理念」の前文に取り入れられています。
(油化事業部企画室技術担当部長 徳山 悟さん談)
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