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2024年12月18日更新
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<見学編>
〜人と化学に向かい合う〜
新日本理化株式会社『京都R&Dセンター』


お話をうかがった方

お話をうかがった方々:執行役員 研究開発本部長 兼 研究開発部長
水谷 利洋さん(中央右)、研究開発部 主幹研究員のお二人
宮崎謙一さん(中央左)と竹上 明伸さん(右)。企画管理本部 経営企画部
サブマネージャー 兼 CN推進室 鳥井 友香子さん(左)。

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  105年間変わらぬ経営理念は、「もの創りを通して広く社会の発展に貢献します」。化学メーカーとして未来のありたい姿を「VISION 2030 Be the best SPICE!」とし、「極上のスパイス」のように多様な個の集まりから、キラリと光る唯一無二の素材を創ることに取り組んでいます。



● 「開放」が「融合」を生み、「挑戦」の力になる。社会と交流し素材を創造する研究所。
 やりたい研究を毎月社長にプレゼン。世の中を変えたい!という情熱が決め手です。


Q.化学メーカーとしての歴史や特色を教えてください。

 当社は京都市の琵琶湖疏水のそばで大正8年に創業し、水の電気分解で酸素と水素を製造していました。酸素は主に、当時大流行したスペイン風邪の治療用でしたから、収束後は水素にも目を向けて、魚の油を「水素化」で硬化・脱臭し、石鹸やマーガリンの原料へと加工しました。この「水素化」技術を100年磨いて、界面活性剤、食品添加剤や人工大理石に応用しています。
 また、樹脂を透明にする「核剤」や「機能性モノマー」などは、衣装ケース、自動車部品、信号機など、暮らしの中で大活躍しています。「透明材料なら新日本理化!」と覚えて欲しいですね。加えて、樹脂の成形を助ける「可塑剤」の技術を化粧品や電子材料分野へ応用したり、バイオマス由来原料の研究に力を入れたりと、素材の可能性を引き出す“もの創りの力”が強みです。


Q.『京都R&Dセンター』はどのような研究所ですか?

 『京都R&Dセンター』は当社の次の100年を担う、イノベーションの発信拠点です。研究機関が集まる“けいはんな学研都市”の一地区、相楽郡精華町に2021年に完成しました。コンセプトは「開放・融合・挑戦」です。明るくて見通しのよい空間で、現在41人の研究員が心も開放して、たくさんのお客様をお迎えしています。交流によって得た刺激やご縁を、アイデアと融合させ、社会や未来を変えるような「Only One」の機能を持つ素材の開発と、「カーボンニュートラルの実現に貢献する研究」に挑戦しているところです。

事業の重点4領域と開発例
年間約50件の見学を受け入れる開放的な研究所

Q.約3年経ち、研究や開発にもよい変化がありましたか?

 当社の研究員は、研究テーマの企画からラボでの実験、工場での試作、顧客開発まで一貫して担当しますが、より積極的に行動するようになり、出張回数は4倍に増えています。
  センターには一般的なラボだけでなく、より大きい規模の実験機能を備えているので、樹脂の成形加工エリアにお客様と同じ製品評価ができる機械があったり、立ち会い試験も実施したりしています。お客様はどんな機械でどうやって製品を作るのか、素材を納品した後の成形方法やこだわりを深く探ることで、研究開発へのフィードバックや、よりよい素材開発につながっていると思います。
  たとえば「新規結晶核剤 RiKACRYSTA®」は、お客様の工程の生産性向上や、環境負荷低減をいかに実現するか、という視点から開発と提案を行なっている一例です。

新規結晶核剤など

Q.研究員の方々にとっての原動力、面白さは何ですか?

 毎月、社長同席で研究テーマ発表会をやっていまして、誰でもやりたいことを発表できます。Only Oneやカーボンニュートラルに貢献するアイデアは採択されますし、研究の自由度がとても高いところが面白いです。アイデアは、日々の交流や社会との関わりから発想したものですが、社長は技術以上に社員の「世の中を変えたい!」という情熱を重要視していて、その研究が社会でどう活躍するのか? と厳しく質問されるんです。発表会の場で広い視点や世の中に役立つイメージが得られ、実現したいという想いが強まります。
 また、研究員は素材をお客様に提供した後も直接やり取りできますので、使いやすいよ、さらに良くなったね、と言っていただけたときは開発者冥利につきますね。新素材は製造工程の変更が必要な場合もあることから、それでも使いたいと思ってもらえるような、価値ある素材を創っていきたいです。


Q.最後にひとこと、お願いします。

 カーボンニュートラルへの道のりは簡単ではなく、理想と現実の差を感じることもありますが、循環型社会のために必ず実現していきたいと考えています。これからも情熱を大切に、粘り強く、取り組んでまいります。

新規結晶核剤など

●新日本理化株式会社 のホームページはこちら

https://www.nj-chem.co.jp/

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