資生堂グループの商品は、現在約120カ国で販売しています。資生堂には世界に6つの地域本社がありますが、私はそのうちの一つ、 資生堂ジャパン(株)の社長を務めています。もともと理科系出身で、コンピュータ好きの学生でしたが、就職先は資生堂と心に決めていました。「ブラバス」のような男性化粧品の CM の世界観が好きでしたし、 サイエンスで人々を幸せにする仕事がしたかったからです。
入社後は、容器の研究室でエアゾール缶の品質保証を担当しましたが、 毎日100缶ずつノコギリで切って内壁を確認することの繰り返しでした。 2年が過ぎた頃、一念発起して 「エアゾール缶の強度をコンピュータで解析できるようにしたい」 と上司に申し出ました。 当時はソフトウエアも何もなかったので、材料力学などを勉強することから始めて開発をすすめて・・・それで仕事が面白くなりましたね。
私は元来理系オタクなので(笑)、ずっとロジカル思考で仕事をしていました。 転機になったのは生産戦略を担当していた40代に、ある工場を閉鎖する実務を経験したことです。 面接に同行し、社員一人ひとりの要望を聞いて、転勤先、再就職先を考えることで、人とのコミュニケーションの重要性と、人の心に寄り添うことの大切さを学びました。 「考えるときはクールな頭で論理的に、行動するときは熱血漢で」 というロジカルシンキングと人間力が、リーダーには必要だと考えています。
海が近くに見えるという理由で、数年前に三浦半島に引っ越して以来、 週末はもっぱら家内と近辺の散歩をします。今日は何を食べようかと話しながら、 地場産の新鮮な野菜を市場で買ったり、佐島漁港に行っておいしい魚を手に入れたり。以前よりも家で料理をすることが増えました。炭をおこして野菜や魚を焼くのは私の役目です。
自分ひとりの時間は、自作の超高速コンピュータの前に座っているか、 本を読むかのどちらかです。デジタル系の趣味は挙げればきりがありません。最近凝っているのはタイムラプス動画ですが、 撮影の前後にカメラ画像に自分が考えたデジタル処理を加えて楽しんでいます。夜空の星の動きや夕暮れ時の雲の流れなど、光が微妙に変化する時間帯は結構良い動画に仕上がるので、WEB にアップすることもあるんですよ。
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