初めて当社を知る方は、油脂と触媒の両事業を扱っていることを不思議に思われます。もともとは、終戦まもない68年前、油脂界面化学の大家だった川上八十太が川上研究所を創業したのがはじまりです。そこへ金属触媒研究の専門家であり、後に3代目社長となる小松信一郎らが加わって、今の2大事業体系の礎を築きました。油脂を水素添加すると、樹脂の加工助剤や化粧品にもなりますが、この水素添加には触媒技術が活かされます。そうした技術的なリンクもあり、油脂のライフ事業部、触媒のファイン事業部をそれぞれ発展させて、裾野を広げてきました。
私は、大学で有機合成を勉強したので、ファイン事業部の研究者として入社しました。しかし5年が過ぎた頃、人事いわく研究者にしては口が立つからと、大阪で畑違いの営業をやれと言われました。生まれも育ちも東京ですし、研究を続けたかったので悩みましたが、まぁこの際だ、京都や奈良にも通って遊んでやろうと切り替えたんです。持ち前の性格もありますが、どんなときも、否定から入るよりまず肯定し、努力していくことこそ大事だと考えています。実際、所帯の小さな大阪営業所では、事業部の枠は関係なく、今に通じる経験を得ることができました。
当社の行動理念に、「大変なことを楽しく」という大変良い言葉があり、私も朝礼などで「どうせなら仕事に惚れろ、人にも惚れろ、そうしたら面白くなる」と社員に話しています。毎月、朝礼の原稿を書いて、東京本社から埼玉、福井、静岡の各工場を順に回るのが歴代の社長の慣習なのですが、社長になった6年前からは出張もかなり増えました。
出張とはいえ旅好きなもので、月を追って移り変わる四季を感じたり、現地でおいしいものを食べることも楽しみます。年に5、6回は、家族とも旅行をします。私は綿密に計画を立てるタイプですから、ハードすぎる旅程に家内から文句が出るくらい。定番の行き先はスキーや温泉、家族も喜ぶ遊園地などです。実は大の絶叫マシーン好きですが、年齢制限で乗れないことも多くなってがっかりですよ。
いくら気が若くても、近年は体重増加の抑制が健康の課題です。そこで昨秋から、“1日1食ダイエット”に挑戦中です。効果は顕著ですので、今後も継続していきたいですね。 |