リサイクルは、地球サイズの思いやり。
首都圏環境美化センターを
見学しました!
〜前編〜「飲料容器とプラスチック」
リサイクルや資源の有効利用という考え方がまだ新しかった1994年、 東京都足立区の(株)首都圏環境美化センターは、パッカー車1台で産業廃棄物の回収をはじめました。今では100台の車両で都内や川崎地区をまわり、企業や施設から回収したあらゆる廃棄物を選別・減容化する“オールラウンド”な中間処理を強みとしています。
「リサイクルが地球サイズの思いやりになる未来」を想像し、ごみを資源に変え、再び使えるように処理している現場を見学しました。
前編は「飲料容器とプラスチック」の工場です。
左から、案内してくださった(株)首都圏環境美化センター 営業部 副部長 片嶋 正之さん、広報部 武田 葉子さん、斉京 沙知さん、営業部 君島 聖弥さん
異物の割合は30%
まちなかやオフィスの「自動販売機横のリサイクルボックス」の中には、いろんな異物が捨てられているそうです。金属くず、電池、スプレー缶、電子タバコ、携帯ファンなどの異物が、工場での発火やケガなどの原因になっていることがわかりました。
飲料容器の中間処理工場で素材ごとに分け、圧縮してリサイクルの原料にしている
■選別の手順 ❯❯❯容器回収用の袋を機械で取り除く(別途、再資源化) ❯❯❯ライン上のスチール缶を磁力で、アルミ缶を渦電流の力で、ペットボトルを光学選別機でそれぞれ選別 ❯❯❯ライン上に残ったビンと異物を選別 ❯❯❯ペットボトルのラベルを剥離機で除去(別途、再資源化) ❯❯❯ペットボトルの表面をスクリューコンベアで洗浄 ❯❯❯素材ごとに圧縮・減容化して完成!
夏場の回収量は東京都の同業他社の中で随一。工場では1日に500mlPETボトル換算で90万本分など、多くの使用済み飲料容器が選別されています。
飲み残しボトル・食べ物が臭う容器はトラブルのもと
回収した容器に飲食物が残っていると、その水分や油分が機械の劣化や故障の原因になるそうです。さらに、悪臭・汚れが衛生面の問題や、機械での選別の妨げにもなるとのこと。日頃から、きれいに分別して出すことを心がけたいですね。
高度な自動選別で、
プラスチック資源リサイクルの可能性を広げたい
上記の飲料容器よりも、さらに雑多な素材が混在しているのが、プラスチック類の廃棄物です。最新の工場では、光学選別機の前に風力選別機を組み合わせ、より高度で効率的な自動選別システムを追求。マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルなどの目的に合わせて、プラスチックを素材別に選別し、資源化を促す技術が導入されていました。
*次号は後編「古紙と選別」です!