欧州の工業連合会A.I.S.E.会長が来日講演
豊かで持続可能なヨーロッパの洗剤業界をつくる活動
A.I.S.E.(欧州石鹸洗剤工業連合会 International Association for Soaps, Detergents and Maintenance Products)はヨーロッパの洗剤業界の団体や企業から成る組織で、2022年に70周年を迎えました。毎年の総会には当工業会も招待され、国際的な交流や意見交換をしています。3月17日にA.I.S.E.ビバ・ナディア会長が来日し、講演を行ないました。その一端をお伝えします。
↓講演は油脂工業会館で行なわれました。
←A.I.S.E.のビバ・ナディア会長。
3月17日の演題は、『SHAPING A WINNING FUTURE FOR THE DETERGENTS INDUSTRY(石鹸洗剤業界の輝かしい未来をつくる)』。
持続可能な洗剤業界を目指すA.I.S.E.憲章
欧州の洗剤業界には家庭用と業務用を併せて約900の企業が携わっており、市場規模は約398億ユーロ(2021年)です。業界を代表するA.I.S.E.は、社会貢献のロールモデルとなるような豊かな洗浄・衛生業界を、革新的かつ持続可能な手法で実現することを目指しています。
A.I.S.E.は基本的な行動原則として、科学に基づく姿勢と自発的なイニシアチブを大切にしています。特筆すべき活動に、2005年に策定した持続可能な衛生事業に関するA.I.S.E.憲章『THE A.I.S.E. CHARTER FOR SUSTAINABLE CLEANING』があり、企業の社会的責任に関するガイダンスや製品のエコデザインの推進などは、増加する化学物質規制への対応と並ぶ代表的な取り組みです(下図)。
今後の優先活動としては、すべてのステークホルダーから信頼されるパートナーとなり、企業の科学的な根拠に基づくアプローチを原則に、人と環境の安全を推進していくことを挙げています。また、化学業界が協働により未来を切り開いていくことの重要性を強調しました。
講演後は、当工業会の参加者と、欧州の規制動向などの最新情報について活発な質疑応答が交わされました。
A.I.S.E.と当工業会は、15の工業会で構成される「INCPA(国際工業会)」のメンバーでもあります。今後も協働して国際的な課題に対する情報共有や、検討を進めていきます。