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2021年12月15日更新
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*経営戦略としてのEquality&Inclusion






経営戦略としてのEquality&Inclusion
〜「多様性」「平等な機会」「インクルージョン」が組織を変える〜




photo 当工業会の国際委員会委員長で、P&Gジャパン合同会社 執行役員の日笠浩之氏による講演を2021年8月30日にオンライン開催しました。
 P&Gグループは世界180ヵ国に拠点を持ち、国籍数140ヵ国を超える社員が働いています。“人材”こそ最重要資産との考えから、一人ひとりが最大限の力を発揮できる組織づくりに長年取り組んできました。  
 講演は、P&Gの経営戦略「Equality & Inclusion (平等な機会とインクルーシブな世界の実現)」について学ぶ機会となり、当工業会の会員社などから約40人が聴講しました。その一部を編集し掲載します。


◆多様性を本当の意味で深く理解するために

 P&Gジャパンは1990年代はじめに「女性活躍の推進」に取り組み、それが現在に至るインクルージョン推進活動の始まりでした[図A]。その後、2000年にかけては、対象を女性に限らずダイバーシティ(多様性)の推進を目指した「ダイバーシティ推進期」に入ります。私も推進担当者となり、男性・女性ではなく、もっと一人ひとりの個性を大切にしていこうと、多様性の解釈を広げていきました。

図A:P&Gジャパンのインクルージョン推進の変遷

 本来、多様性とは“状態”です。年代・国籍・障がいの有無・性的指向や性自認、職歴や経験、思考や価値観など、さまざまな違いがある“状態”に気づくことが最初は大切です。しかし組織では、多様な違いを持つ人たちを表面的にしか理解せず、異質なグループとして“区別”したり、組織の帰属意識を高めようとして、多様な違いを持つ人を“同化”させてしまうことが起こり得ます。そうではなく、P&Gは多様性の“受容と活用”[図B-右上]を目指しています。

図B:インクルージョンとは 〜 多様性と帰属意識から〜

◆一人ひとりの違いを活かし合うインクルーシブな組織へ

 多様性の受容と活用という考えは、2008年以降の「ダイバーシティ&インクルージョン推進期」に出てきました。重要なのは、人材の多様な違いが受け入れられ、一人ひとりに平等な機会が与えられ、違いを活かし合える組織になることです。そうしたインクルーシブな場をつくることで、生産性やビジネス上の競争優位性は向上し、多様な社会に認められるイノベーションを起こしていけるのではないでしょうか。
 P&Gでまだできていない点もありますが、製品開発のわかりやすい成果を一つご紹介します。海外から来日した社員が、家の玄関で靴を脱ぐ文化を見て「もっと靴の臭いをとるニーズがあるはずだ」と発想しました。同じ経験を持つ人同士で働いていると気づきにくいですが、その社員の少し違う経験や視点がチームに加わり、新製品 の「ファブリーズ W消臭 玄関用消臭剤」[※1]が開発できました。
 また、P&Gは世界の各地域や製品ブランドごとに、さまざまなメッセージや動画を作成しています[※2]。製品とコミュニケーションの両方を通じて、多様な違いを尊重し活用し合える「文化」の醸成に貢献していきたいと考えています。

製品・コミュニケーションのイノベーション

◆平等な機会とインクルーシブな世界の実現を経営戦略に

 長い活動の途中では、さまざまな議論も起こりました。たとえば、2013年には「女性管理職比率30%超」を達成し(最終的な目標は50%)、一つのマイルストーンに達することができました。しかし徐々に停滞感も出てきて、社内では「結局、女性のことだけ?」「これ以上の活動が必要?」「もう十分できているのでは?」などの声があがったのです。
 このとき経営陣は、インクルージョン推進とビジネスの中長期的な成長が強く結びつくビジョンを、十分に社内発信できていなかったと気づきました。そして2020年に経営戦略として「Equality & Inclusion (平等な機会とインクルーシブな世界の実現)」を打ち出し、“さまざまな多様性”の受容と活用に向けて社員を巻き込み、多様性を理解する知識とスキルを培うため、社員研修を大幅に拡充しました。

◆インクルージョン推進研修の社外提供も開始

 私は本業の一環として経営戦略を組織に落とし込む仕事をしていますが、同時に、社内初のLGBTQ+アライコミュニティ[※3]のリーダーとしても活動しています。昨年は障がいがある人のアライコミュニティも立ち上がりました。こうしたP&Gの考え方や経験を共有するため、社外向けのアライ育成研修や管理職向けのインクルージョン研修なども始めています。日本の多くの人々と話をして、多様性を尊重し活用し合える文化を一緒に作りたいと考えています。P&Gの取り組みが、みなさんの活動の参考になりましたら幸いです。

※3: LGBTQ+は性的指向のLesbian、Gay、Bisexual、性自認のTransgender、それらに固定しないQuestioningおよびQueerの頭文字をとり、+で多様な性的少数者を表した言葉。アライはマイノリティメンバーを理解しサポートする人の呼称

 



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