日本石鹸洗剤工業会の油脂製品部会では、オレオケミカル産業の動向調査と若手の育成を目的として、2年ごとに会員社からメンバーを募り、海外調査団を結成しています。第9回は坪井輝道団長(阪本薬品工業株式会社)をはじめ計8人が、2014年10月中旬の7日間、タイとマレーシアを訪れました。
パーム油の主要生産国は、大規模プランテーション中心のインドネシア、マレーシアで、その次がタイです。世界の総生産量は近年、年率5%のペースで増加しており、2014年は約6千万トンに達する見込みです。そのうち、マレーシアの生産量は約2千万トン、タイは約230万トンとそれぞれ見込まれています。また、総生産量の80%が食用需要、20%が工業用で、新たにバイオディーゼル燃料(BDF)向けの生産も増えています。
パーム油はさまざまな製品に使用されており、人々の生活と密接に関係しています。そのため、国際的な非営利組織「持続可能なパーム油に関する円卓会議(RSPO)」により、環境に配慮した認証油の生産・利用の拡大も推進されてきました。
今回は、2010年訪問時からの変化や、RSPO制度の稼働状況、BDF関連の調査に重点を置きました。マレーシアではオレオケミカルメーカーの新増設により競争が激化するなか、大手企業が製品展開や販路拡大に努め、農園の収率改善やRSPO対応をすすめている現状を把握しました。タイではBDF由来のグリセリンの活用法であるグリセリン法ECHの調査もできました。
<訪問先>マレーシア:Lion Eco Chemicals、MPOB(マレーシアパーム油庁)、Sime Darby、Emery Oleochemicals/タイ:Thai Fatty Alcohols、VINYTHAI、Patum Vegetable oil、Kao Industrial

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