日本石鹸洗剤工業会の油脂製品部会では、オレオケミカル産業の動向調査と若手育成を目的として、2年ごとに会員社からメンバーを募り、海外調査団を結成しています。8回目の実施となったこのたび、富澤信宜団長(新日本理化株式会社)率いる6名が、5月下旬に約1週間の日程で中国を訪れました。
中国への調査団派遣は2004年以来2度目です。近年さらに経済成長を遂げた中国では、オレオケミカル産業においても外資の進出が目立ちます。プランテーション(油脂)以降の川下化(脂肪酸とグリセリン、その誘導体や消費財への展開)が一層すすんでいることから、今回改めて調査を実施しました。
東南アジアのプランテーション大手であるTaikoやWilmarは中国への投資を拡大し、脂肪酸やグリセリン、各誘導体の製造拠点を増強しています。後発ゆえに規模は圧倒的です。他の訪問先も含めて、各社が特徴を生かせる製品に集中した生産を行なっていました。グリセリン誘導体に関しては、YangnongとWilmarに加え大手外資が参入予定で、新製法のグリセリン法エピクロルヒドリン(ECH)の工業化の調査ができました。
また、液体洗剤の需要が伸びているとの情報が複数ありましたが、店頭ではまだ粉末洗剤が目立ちました。
調査テーマ
・中国オレオケミカル産業の動向
・グリセリン用途開発(グリセリン誘導体)
・中国の石鹸・洗剤市場
訪問企業:Taiko(江蘇省・張家港), Wilmar(連雲港), Yangnong(揚州), Rhodia(張家港), Henan(河南省・鄭州)
※より詳しい報告をこちらのページに掲載しています
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