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2008年3月15日更新
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2007 年の洗浄剤等の製品販売統計を読む

◆◆成熟期の洗浄剤市場の動向は安定回復傾向に◆◆


 「CLEAN AGE」に毎号掲載している「洗浄剤等の製品販売統計表」は、経産省が公表した工場出荷の数量と金額を、当工業会で関連のものをまとめて作表したものです。昨2007年一年間の統計をみると、全体としては、ここしばらく横ばい傾向が続いていたものが、07年は数量・金額ともに105 〜6%と好調な伸びを示し、市場も活発化しつつあるといえそうです。
 近年の洗浄剤等の市場動向として、当工業会の石鹸部会・洗浄剤部会から得た情報を整理しておきましょう。

★身体洗浄料
 長い歴史をもつ固形石鹸は完全な成熟市場で、1991年をピークとして年々スケールダウンを続けてきました。そのいちばん大きな要因は、70年代から登場したボディソープが、固形石鹸に取って代わるという傾向が続いたためで、初めて逆転された97年以降、常に身体洗浄料の主役の座を譲ってきました。
 そんな逆風のなか、固形石鹸は昔から需要のあった贈答市場に期待をかけていましたが、これも年々贈答品の多様化などで市場環境はいいとはいえず、減少を続けていました。ところが、昨07年は贈答石鹸は減少傾向が鈍化し、とくに個人間の贈答で固形石鹸が使われる件数は微増しています。
 もともと固形石鹸の愛用者も成熟年代が中心であり、当用買い・贈答市場にかかわらず、全体的に50〜60代のユーザーが中心とみられてきました。“生まれたときからボディソープがあった”という若年層の間で、贈答でも自分用でも石鹸回帰という傾向変化が生じつつあるといえます。
 これは、その形や色などでも差別化が可能という固形石鹸の特徴を活かし、若年層や主婦層のパーソナルユースの増加傾向が伺えることとあわせ、今後に期待ももてます。
 一方のボディソープは、固形石鹸からの切り替えによる伸張は安定期に入ったとみられていますが、微増傾向は続いています。詰め替え製品が年々増加を続けた結果、金額で約7 割を占めるに至りました。ただ、詰め替え製品が増えてきた結果、単価下落傾向が続いていましたが、07年は若干それも落ち着いてきました。
 ボディソープでも、保湿や低刺激・香りなどの嗜好に向けたパーソナルユースを意識した機能訴求商品が増えてきたものの、固形石鹸と同じく生活必需品であるため、価格要因のネックを克服できず、大きな需要拡大にはつながっていないという見方ができます。手洗い用液体石鹸の伸びが著しかったのは、風邪や食中毒などの予防効果への期待が、一般に浸透したことが大きかったといえます。

合成洗剤など
 洗濯用・台所用の合成洗剤についても、単価の低下が続いていましたが、それも下げ止まってきているといえます。ここ数年で最も大きな動きといえば、液体洗剤の伸びです。これは、近年の新製品というわけではなく、1960年代からあったものですが、粉末に対して割高であるという印象があって、粉末と併用されることも多く、需要が伸び悩んでいました。
 ここへきて急速に伸びが目立つようになったのは、各社新製品投入が続いたこと、詰め替え市場が一般的になって定着したこと、値段の差が埋まり、補助的な使用から主使用へと新たな動きが拡大したことが考えられます。また、大型化・節水型・ドラム式など、洗濯機の変化の影響もありました。
 従来、日本人は強い香りを好まなかったのが、若い人では欧米式に香りを楽しむニーズが広がってきて、それらを特徴にした洗剤や柔軟仕上剤も増えてきました。食洗機の使用も標準になりつつあるといえ、台所用洗剤も伸びています。
 生活必需品として安定期にある洗剤でも、消費者視点でのさらなるイノベーションが求められます。そのなかで、ベースとなる洗浄機能向上に加えて、それぞれの洗剤の用途や特殊性に応じて、さまざまな付加価値をつけ、それらを機能としてお客様に認めていただくことができたといえます。
 これまでの世代は、新しい製品がでることで、生活の変化が期待できました。全部物が揃っているところで生まれ育った若い人は、また違った特徴を求めます。世帯の状況もだんだんに変化していくなかで、日用品としての洗浄剤も、それらに対応していくことが、ますます求められていくのでしょう。



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