仕上げ剤メモシート(5)
◇多様化する仕上げ剤の付加機能
〜家庭洗濯ではでんぷん糊の欠点をカバーして生まれた化学糊が主流に〜 |
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◇ 糊剤を使う目的は |
昔は、着物を解いて洗い張りをする…といったことも、家庭でごく普通に行なわれていました。生地をパリッとさせる糊剤は、この頃にはでんぷん糊やふのりを水で溶いて使われていました。
現在では、家庭洗濯で一般に使われている糊剤のほとんどは化学糊
(ポリ酢酸ビニル(PVAc)やポリビニルアルコール(PVA)など)で、それらは洗濯だけでなく、工業用などでその用途は広いものです。
衣料は何度も洗濯を繰り返しているうちに、よれよれになってしまうものです。それに適度なハリとコシをもたせ、型くずれしないようにきれいに仕上げ、肌触りや着心地をよくする、それが糊剤の主な目的です。
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◇ でんぷん糊の欠点をカバー |
それだけでなく、繊維の毛羽立ちを抑え、光沢を与えるほか、汚れがつきにくく落としやすくする、といった効果もあります。一見、糊がつくと通気性は悪くなるように思われがちですが、意外な効用は、繊維の糸が締まって通気性がよくなることです。
でんぷん糊で固めると、パリッと硬く仕上がるので、シーツや浴衣のようなものには適しています。しかし、硬さが着心地の悪さにつながることもあります。
化学糊は、でんぷん糊の使いにくさ・カビやすい・折れじわになりやすいといった欠点をカバーし、糊づけのイメージも「硬くパリッと」から「ハリもあって、しかもしなやかになる」へと大きく変えてきました。
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◇ 洗濯機での糊づけ |
洗濯機で使う糊剤の形状は、乳液タイプのものが主流です。シーツなどの大物の糊づけは洗濯機を利用すると簡単です。全自動洗濯機の場合は、洗濯が終わったら、糊づけしたい衣料だけを洗濯槽内に残し、「洗濯と脱水」にセットして、洗濯機を回しながら糊剤を入れて、数分回した後に軽く脱水します。
洗濯機によっては、糊剤が使用できないものもありますので、取扱説明書をよく確認してください。
ブラウスやハンカチなど2、3 枚を糊づけする場合は洗い桶に水をはり糊剤を入れて糊づけし軽く脱水します。このように、糊剤の使用は簡単で、水洗いのできるすべての衣料品について使用できます。
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◇ 柔軟剤といっしょに使えます |
柔軟仕上げ剤と糊剤を併わせて使うこともできます。いっしょに混ぜて使用でき、このときそれぞれの濃度を変え、ブレンド率を調整することにより、洗濯衣料のハリとしなやかさをコントロールすることも可能なのです。
たとえば、浴衣やシーツやテーブルクロスのようなものには、糊剤を標準使用量に対して柔軟剤を少量、ポロシャツやスラックスなどは柔軟剤と糊剤をそれぞれ半々程度…といった具合です。
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