仕上げ剤メモシート(3)
◇パチパチ静電気を防止する効果もあります
〜やわらかくするだけではないもうひとつの働き〜 |
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◇ 柔軟剤のもうひとつの効果 |
柔軟効果の理屈は、陽イオン界面活性剤の(+)イオンが、(−)電位をもつ繊維の表面に吸着することで、繊維と繊維の摩擦を界面活性剤の親油基同士の接触に変えて、すべりをよくして抵抗を減らし、布のやわらかくしなやかな感じを演出している、というわけです。
このとき、繊維の表面に吸着している界面活性剤の水になじむ親水基の部分には、水の分子がしっかりと結合しています。このことは、柔軟剤のもうひとつの重要な効果を生むことになります。
それが、帯電防止効果です。
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◇ ご存知でしょう「静電気」 |
静電気として一般に知られているものは、繊維などのなかにもじっとしたまま留まって帯電している電気が、放電するときに瞬間的にビリビリッとしたりして人の皮膚などに刺激を与えるものです。
またこれは主に冬場の乾燥した季節に化学繊維に起こりやすい現象で、梅雨時のような湿気の多いときには起こりにくいのです。繊維は普通の状態ではわずかに水分を含んでいますが、極端に乾燥した状態や保有水分が低い合成繊維では帯電しやすいということがあります。
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◇ ご存知ですか「摩擦帯電列」 |
繊維の種類によっても違いがあり、それは摩擦帯電列によって示すこともできます。図のように、左側の(+)寄りの繊維ほどプラスの電気を帯びやすく、右側の(−)寄りの繊維ほどマイナスの電気を帯びやすいのです。そして、一般的には、位置の離れている繊維同士ほど摩擦による帯電が起こりやすいとされています。
そして、柔軟剤を使えば繊維に接触し水分を含んだ界面活性剤の親水基が電導性をもつため、帯電しなくなります。静電気が発生しても、水分を伝って空気中に放電します。これは、黒ずみ防止効果や、スカートなどのまつわりつき防止効果、毛玉防止効果にもなるので、さらにスプレータイプの静電気防止剤などの派生商品も産んでいます。
摩擦帯電列 |
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静電気が起こりやすいのは、摩擦帯電列の離れたもの同士を重ね着した場合です |
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◇ 使いすぎは… |
親油基が繊維の表面を覆うようになって滑りがよくなるということは、逆にいえば柔軟剤を多く使うと吸水性が悪くなる可能性があり、柔軟剤を使いすぎたタオルや肌着などで、汗や手を拭く時の水の吸い取りが悪いと実感することがあります。
吸水性の低下を防止するさまざまな工夫をしている製品も多くありますが、パッケージに表示されている使用量を守ることが大切です。
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