神奈川県からは初めての『ピカピカ大賞』受賞となった宮上小学校のある相模原市は県北部に位置し、すぐ北隣は東京都町田市に接しています。学校のそばを流れる境川は、幅15メートルほど。この細かく曲がりくねった大きくはない川が、その名のようにほぼ神奈川県と東京都の境をつくっています。


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この川には、6年ほど前には壊れた自転車や冷蔵庫などの粗大ごみが散乱していました。「どうしてごみを捨てるのだろう」と嘆きながらも、こどもたちはごみ拾いから花壇をつくったりポスターでアピールするなど、川をきれいにする活動を続けてきました。そのおかげで、水に近寄ることもできなかった川もよみがえって、付近もきれいな散歩道になりました。
学校ではこれを主に4 年生の総合学習の課題として取り上げて毎年度の4 年生に受け継がれ、こどもたちの活動だけでなく家庭や地域、行政とともに取り組む総合的な環境教育の舞台となってきたのです。
“境川をきれいにしょう隊”と学習単元名が付けられた4年生の総合学習では、魚など傷つけないように捕まえ、水生生物を調べる、希少植物を育てる、水質を調べる、ごみ問題を考える、地域と交流し発表する…。
たとえば、こうしたことが多くの教科ともかかわっている、ということを理解してもらうところから始めたその授業には、家庭や地域ボランティアが、積極的に参加しています。単なる清掃課外活動の枠を越え、地域全体の「教育コミュニティセンター」をめざしていきたい、という多くの人々の熱意が表れています。
川にごみを捨てる人がなくなったわけではないのですが、こどもたちはあきらめずに活動を続けています。
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