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2006年6月15日更新
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参照カテゴリ> #03.基礎,化学 #06.CLEAN AGE 206号 

*仕上げ剤メモシート

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仕上げ剤メモシート(2)
◇柔軟仕上げ剤のメカニズム

…陽イオン界面活性剤のおかげです

柔軟剤が必要になるワケ

 多くの衣料品には、その加工製造工程においてさまざまな物理的・化学的仕上げ処理がされています。それは繊維製品に必要な、なめらかでしなやかな肌触りや風合いなどを保つために欠かせないものです。
 そのおかげで、新しい衣料品はやわらかさをもっているのですが、それもだんだんと失われてしまうのも自然の成り行きです。
 着用と洗濯、乾燥を繰り返しているうちに、最初に繊維製品に施されていた柔軟剤が落ちてしまい、また、繊維自体も細くなったり毛羽立ったりなど、変質し硬くごわごわになってくるのは避けられないことです。
 そこで、洗濯のさいにこれを補うというのが、家庭用の柔軟仕上げ剤の使用目的であり役目です。

こんな働き特徴をもっています

では、その役目を果たすために、柔軟剤はどんな特徴をもっているのでしょうか。市販されている家庭用の柔軟仕上げ剤の主成分は、陽イオン(カチオン)界面活性剤です。これは生分解性にも優れ、親油性の高い性質をもっており、分子内に二つ長鎖アルキル基をもつ柔軟効果のあるタイプなどが使われています。
 水の中では、繊維の表面はマイナスの電気を帯びています。ちょうどマッチ棒のようなイメージの界面活性剤の分子構造は、陽イオンでは丸いプラスの親水基と軸にあたる親油基からなっています。そのため、カチオン活性剤は繊維のマイナスの電気に引きつけられて、プラスの親水基から繊維の表面に吸着します。
 すると、油になじみやすい親油基が、繊維の外に向いて並びます。これがいわば潤滑油のような働きをするのです。いわば、ごく薄い油の膜で覆うような形になり、それが繊維と繊維が接触する摩擦抵抗を弱め、すべりがよくなり、手触りもやわらかくしてくれます。同時に、繊維にくっついた水になじむ親水基は、繊維上に生じる静電気を外に逃がすという働きもしています。

柔軟剤が働くしくみ

柔軟剤が働くしくみ
 
洗剤と一緒には使えません

 柔軟仕上げ剤は、洗剤と同時に一緒に使えません。それは、柔軟剤の主成分が陽イオン(カチオン)界面活性剤であるのに対して、多くの洗剤の主成分が陰イオン(アニオン)界面活性剤であるためです。
 洗剤と柔軟剤を同時に混合して使うと、両方の異なる主成分同士が結合して、水に溶けにくい物質に変化してしまい、どちらもその本来の機能を失ってしまいます。
 洗剤と柔軟剤を一緒に入れても効果がないので、柔軟仕上げ剤の使用は、最後のすすぎのときにします。柔軟効果のある洗剤もありますが、それはまた別のメカニズムによるもので問題ありません。

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