アジアの石鹸洗剤業界の連携を深めようと、日韓台で始まったASDAC (アジア石鹸洗剤工業会会議)も、2005年の東京での会議で第5回を数えます。
回を追って参加国も増え、8月31日〜9月1日の両日、東京千代田区の都市センター会館 で開催された会議には、中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、日本の8つの国と地域から代表が参加したほか、アメリカSDA、ヨーロッパAISE、オーストラリアからのゲスト、さらにインドからもオブザーバーを迎え、盛会裡に終わりました。
今回は、特に主催者である日本石鹸洗剤工業会の会員・賛助会員や各団体・大学などの協力をえて、会場に展示ブースやポスター展示も行なわれたこともあってか、二日間の会期中延べ1000人を超える参加者で賑わいました。
参加国の中では、中国が30名もの大代表団を送り込んでくるなど、最近の経済成長を背景として、元気なところをアピールしていました。
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参加各国SDA代表の市場動向スピーチ |
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後援の経産省・機能性化学品室長 渡邊宏氏の講演 |
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開会の挨拶をする主催者JSDA 藤重会長 |
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参加国代表が合意し発表された合意書 |
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協賛企業団体などによる展示とポスターも |
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二年前の北京会議では、当時のJSDA宇野会長の提案で、儀礼や親睦から数歩を進めた中身のある国際会議にしようということになり、今回はそれを受けての会議とあって、運営委員会の討議を重ねた結果、会期中は各参加国からの報告のほかにも、スケジュールがびっしりでした。
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ゲスト参加のアメリカSDA会長(左)とヨーロッパAISE代表(右)の基調講演 |
経済産業省の後援をいただいたこの会議は、化学品の総合的な動向についての同省機能性化学品室長の講演でその幕を開けました。続いて、ゲスト参加のアメリカSDAの会長が、消費者製品の安全性はあくまでもリスクベースで行なうべきことを主張しました。すると、その後に壇上に立ったAISEの代表から、EUで検討が進んでいる総合化学物質指令がヨーロッパの憲法になり、他国の人もよかったと思うことになるだろうと、自信をみせるという一幕もありました。
これに象徴されるように、「持続可能社会の構築」に向けて、業界が世界と連携していかなければならない共通課題も多く、各国からそれぞれの問題意識から発表報告がありました。セミナーとして、日本の近年の経験を伝えるという意味で、洗剤のリスクマネジメント、洗濯実態と洗剤の開発動向、洗剤の役割と適正使用についての報告をしています。
当面の共通課題であるGHSについては、日本のガイダンス・ドキュメントを各国で共通利用してもらえるような形で協力を続けることになります。
締めくくりの共同記者会見では、参加国代表が署名した合意書も発表され、アジア各国の固有のニーズや市場動向などの理解を共有しつつ、強まる規制が異なるなかで統一した基準づくりも進め、化学物質管理の世界動向に対して、ともに地域の特性を活かした持続可能な成長をめざすこと、などが確認されました。
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参加国SDA代表が顔をそろえての共同記者会見 |
次回は2007年にソウルで |
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