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2005年9月15日更新
01.*CLEAN AGE 203号 *目次へ 


OECDのHPV評価の結果が公開されました

■ LASのヒト健康および環境への影響懸念はともに低い


 日常生活のなかで洗濯に使用されて排水される、洗剤の主要成分である界面活性剤については、その安全性や環境影響について、よく知っておく必要があります。

 実際に、すべての化学物質の管理をより厳密にしていかなければならないという気運は、世界的に高まっています。その端緒となったのが、80年代に始まった地球環境対策としてオゾン層を保護しよう、という動きでした。これ以降、90年代には化学物質の総合管理が、重要なテーマとして認識されるようになりました。その一例として、92年の地球環境サミットで採択された、貧困からの脱出をうたった“アジェンダ21” の19章に、化学物質管理に関する国際合意があげられています。

 アジェンダ21以前にも、OECD(経済協力開発機構)では、加盟国政府による「高生産量(HPV)化学物質点検プログラム」が始められていました。それを、さらに加速進展させるため、97年からは産業界ICCA(日米欧主体の国際化学工業協会協議会)が積極的に参画しています。

 このHPVプログラムは、一つの国で年間1000トン以上生産している既存化学物質について、その安全性についての点検作業を行なう、というものです。新規化学物質は、製造・輸入に際し申請が必要で、安全性データの提出も求められますが、既存の化学物質は種類も多いうえに、昔から使ってきたから経験的に問題ないという認識に支えられていました。

 しかし、適切な管理のためには、安全性情報は必須であることから、加盟各国の政府と企業が役割を分担し、初期リスク評価のためのSIDS(スクリーニング用データセット)の取得を進めています。

 なにしろ、数多い化学物質について順に点検する作業は容易ではなく、おまけに国によっても暴露条件に違いがあり、その後いくつかの曲折もありました。LASについては、日米欧を中心とした企業から成るICCA国際コンソーシアム(日本からも花王株式会社、新日本石油化学株式会社、テイカ株式会社、三菱化学株式会社、ライオン株式会社の5 社が参加)が資料を作成し、アメリカ政府がスポンサー国となってOECD会議に上程されました。2003年11月には、まずヒト健康への影響が、SIAR/SIAP(SIDS Initial Assessment Report / Profile: 初期評価報告書/- プロファイル)にまとめられました。

 その結果は、人体安全性に関して"currently of low priority for further work(現状では追加して検討しなければならない懸念は低い) "、と結論づけられています。ただ、このことは、すでにどの国においても結論がでていたことを、改めて追認したことになります。

 そして、今回、2005年4月のOECD会議では、国によって微妙な認識の違いもあった、LASの環境に及ぼす影響部分についても、安全性と同様に結論されました。

 これによって、信頼性のあるデータを基にして国際的に評価した結果、LASについては、トータルとして懸念が低いと確認されたわけです。

 SIAPは、8 月にインターネットhttp://cs3-hq.oecd.org/scripts/hpv/で公開が始まり、どなたでも見ることができます。これまでにICCAイニシアティブで評価が終了した物質は約300物質で、LAS以外の界面活性剤についても、今後評価が進められる予定になっています。


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