日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2005年6月15日更新
01.*石けん洗剤の基礎 *目次へ 
参照カテゴリ> #01.社会 #02.安全性 #03.身体 #06.CLEAN AGE 202号 

せっけんメモシート

*1.「せっけん」と一口にいうけれど…
*2.「石鹸」の製造と需要
*3.石けんは何でできているか?
*4.石けんはこうしてつくられる
*5.石けんと「ナトリウム」「カリウム」
*6.石けんにもいろいろある種類と分類
*7.化粧石鹸と薬用石鹸 また種類と分類
*8.危険で環境にもよくない“手づくり石鹸”
*9.“手づくり石鹸” では法律違反にも注意
*10.“手づくり石鹸” 問題のまとめ

せっけんメモシート(8)
危険で環境にもよくない
“手づくり石鹸”

カ性ソーダという劇薬を使うので気をつけましょう
廃油手づくり石鹸は危険
 手づくり石鹸が、相変わらず一部では盛んなようです。家庭から出るてんぷら油などの廃油を使って、石鹸をつくろうというもので、油を排水溝に流さないので水を汚さないとして、各地の自治体が推奨したり、環境団体や婦人会、サークルなどで「環境にやさしい」というふれこみで広まりました。
 廃油を加熱して、カ性ソーダを入れてかき混ぜる、熱湯を注いでかき混ぜる、それを繰り返す、何日かおいて固める、という作業が一般的なようです。なかには、みかんやごはんのような有機物を加えるつくり方もあるようですが、比較的簡単にできるというので、子供会でやらせるところまで出てきました。
 しかし、これには問題点がいくつもあるのです。今回はまず、その危険性などに注目してみましょう。
カ性ソーダは劇物です
 まず、第一にカ性ソーダは、皮膚に触れたりすると障害を残す恐れがあり、目に入ると失明の危険性もある劇物です。それを、扱い慣れない人が、一般の家庭など、設備や環境が整っていない場所で扱うことは、いっそう問題なのです。
 さらに、制作過程は一見簡単なようですが、混ぜながら反応を促進するために、過剰のカ性ソーダを加えたりするので、未反応のカ性ソーダが残り、手荒れの原因になったりします。
実は環境にもやさしくない
 第二に、これが決して環境にやさしくない、ということです。手づくりであるがゆえに、品質には当然ばらつきが生じます。
 滋賀県が行なった分析では、手づくり石鹸のBOD は、市販の石鹸の2 〜 3 倍あったという結果を得て、注意を促していました。
 一方、兵庫県では、ばらつきはあるが市販石鹸とTOC で比較すると、汚濁負荷量には大差がないと、自治体によって異なる見解を出していました。

 そこで、1994 年に環境庁がある実験をし、その結果を発表しています。それは、手づくり石鹸と、設備の整ったミニプラント(小規模の量産設備)でつくったものと、市販の石鹸について、それぞれのCOD とBOD の比較をしたもので、その結果は上の表のようになりました。

かえって環境を汚している
 第三に、てんぷらの廃油は、酸化したりして変質し、刺激性物質が生じるなど、品質が不安定です。また、ごはんやミカンの皮を加えることなどは、そのまま有機物を環境に捨てて汚していることになってしまうのです。
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