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2004年9月15日更新
01.*石けん洗剤の基礎 *目次へ 
参照カテゴリ> #03.化学 #06.CLEAN AGE 199号 

せっけんメモシート

*1.「せっけん」と一口にいうけれど…
*2.「石鹸」の製造と需要
*3.石けんは何でできているか?
*4.石けんはこうしてつくられる
*5.石けんと「ナトリウム」「カリウム」
*6.石けんにもいろいろある種類と分類
*7.化粧石鹸と薬用石鹸 また種類と分類
*8.危険で環境にもよくない“手づくり石鹸”
*9.“手づくり石鹸” では法律違反にも注意
*10.“手づくり石鹸” 問題のまとめ

せっけんメモシート(5)
石けんと「ナトリウム」「カリウム」
「脂肪酸のアルカリ塩」
通常「石けん」というとき、一般の人はお店で買ってきた包装された固形や、容器入りの液体の商品を思い浮かべます。しかし、化学の現場で「石けん」というときは、商品である石けんの洗浄成分(界面活性剤)のひとつとしての化学物質「高級脂肪酸のアルカリ塩」をさします。
石けんの製造法には、けん化法と中和法という二つの方法があり、それぞれ微妙に違うのですが、簡単にいえば、脂肪酸という弱い酸と、強アルカリを化学的に反応させたものです。
 脂肪酸+アルカリ塩=石けん ≒脂肪酸のアルカリ塩
石けんは原料の脂肪酸や塩の種類によって性質が異なってきます。(脂肪酸の種類と性質については前回(せっけんメモシート(4)参照)。

ナトリウムとカリウム
一般に目にする固形石けんは、脂肪酸と水酸化ナトリウムを反応させてつくった脂肪酸のナトリウム塩で、比較的水に溶けやすく、粉末にすると粉石けんになります。
一方、液体や乳液状の石けんは水酸化カリウムと反応させた脂肪酸のカリウム塩(カリ石けんとも呼びます)で、ナトリウム塩よりさらに水に溶けやすい性質があります。どちらの石けんも水に溶けて、界面活性剤として洗浄力を発揮します。公衆トイレやビルなどのトイレによく見られる手洗い石けんとしても使われています。
石けんでない石けん
しかし、その組合せのなかには、水に溶けない性質の石けん、すなわち、洗浄の役割を果たさないものもあります。
浴室で石けんを使うと水が白っぽく濁ったり洗面器の廻りに石けんカスができますが、これは水に溶けた石けんが水の中のカルシウムなどと結合し、新たに脂肪酸のカルシウム塩になるためで、このような石けんを「金属石けん」と呼び、水には溶けず洗浄力のない性質をもっています。
この「金属石けん」は、工業的に重要で、潤滑剤など多方面に利用されています。
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