浴室のタイルは化学的に安定性が高く、通常は浴室用洗剤やカビ取り剤を使用しても化学的に変化することはありません。まれに、タイル表面を彩色したデザイン性の高いタイルで、彩色部がカビ取り剤で変色することがあります。
この事例では、無彩色の白系のタイルでの発生であり、タイル表面素材の特性以外の要因と考えられます。
現時点では、着色物そのものの元素確認に至っていないませんが、以下の点から微量の鉄分または銅分、あるいは両者の付着が考えられます。
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着色外観は通常の鉄サビで発生するような褐色であり、鉄分の付着が推測される。 |
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還元漂白剤で色が消失する場合とかえって黒くなる場合がみられた。還元漂白剤で消失したのは酸化鉄、黒くなったのは銅が硫化物となって着色したことが考えられる。 |
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液体漂白剤(酸性)で回復できることから、金属(鉄、銅)が酸性で溶解すると推測される。 |