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タイルの化粧目地に使われている材質は、通常ポルトランドセメント(白色セメント)が用いられています。白色セメントがセメントに比べ白いのは、成分中の酸化鉄(Fe2O3)の量が少ないためで、強度が劣る以外は、ほとんど両方の性質に差がありません。一般にセメントは酸の影響を受けると化学変化を起こしますので、タイルの化粧目地に酸性の洗浄剤(例えば塩酸の配合されているトイレ用洗浄剤)を用いると、目地が溶け出し、接着力も弱くなります。
防止策
タイル化粧目地の手入れは、酸性の洗浄剤の使用を避け、風呂用洗剤やカビ取り剤などを用い、洗浄後よく水洗いしてください。なお、塩素系カビ取り剤を使用する場合は、使用上の注意をよく読んでお使いください。
[タイル目地の損傷]
CaCO3+2H+→Ca+++CO2+H2O
炭酸カルシウムが酸により、炭酸ガスと塩化カルシウム等の水に溶けやすい物質に分解される。
[白色ポルトランドセメントの成分]
けい酸(SiO2)20〜30%
アルミナ(Al2O3)5〜11%
酸化鉄(Fe2O3)0.3〜1%
石灰(CaO)61〜66%
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