浴室の汚れは湯垢や石けんカス、黒ズミやカビです。湯垢は石けんカスや皮膚の老廃物、ほこりなどの汚れが結合したものです。石けんカスは、石けん成分や身体から出る皮脂成分と水道水中のカルシウムやマグネシウムなどの金属イオンとが結合して作られたもので、水には溶けません。
一方、ステンレスの浴槽や水道の蛇口などに水滴のあとが残ることがありますが、これは水の中に微量のカルシウムやシリカが含まれているので、浴室を掃除したあと水分をふかずにそのまま放置しておくと、水分だけが蒸発してカルシウムやシリカが残るためです。これらの汚れは、蓄積するときわめて落ちにくく、特にシリカは掃除中に除去できたと思っても乾燥すると白く残り、クレンザーなどでも除去しにくい汚れになります。
浴室のタイル床や壁も、さまざまなものが使われています。写真上は濃色のタイル、写真下はタイルの縁にでこぼこの飾りのあるものですが、最近は転倒防止のために表面に小さな凹凸のあるものもあります。これら凹凸のあるタイルや床には、石けんかすや水垢などの汚れが入りこんで蓄積されやすくなります。しかし、これらの汚れは見た目にはわかりにくいものです。
ある時、一生懸命掃除をしたらあと、かえって部分的にまだらになってしまった、ということもありえます。これは表面の汚れが落ちて、落ちきれずに残った水垢が濃色タイル上で白く見えるためです。
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