日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
home JSDA概要 沿革 組織・会員 統計 資料・刊行物 リンク 総目次 English
JSDAの活動 安全と環境 石けん洗剤知識 役立つ情報 クリーンキャンペーン CLEAN AGE
2013年9月15日更新
01.*洗濯 *目次へ 
参照カテゴリ> #03.洗濯 #06.CLEAN AGE 235号 

*シリーズ お洗濯の科学

←前へ 次へ→

シリーズ お洗たくの科学

③ 主要な添加剤と配合の工夫

洗たく用洗剤にかかせない添加剤とは

 アルカリ剤、分散剤、酵素… 洗たく用洗剤の容器をみると、界面活性剤以外にも、複数の成分が表示されています。汚れを落とすために配合する主剤は界面活性剤ですが、添加剤として、ビルダー(洗浄助剤)や酵素などその他の添加剤(表1)をさまざまに組み合わせ、メーカーごとに、高機能で特色のある洗剤をつくり出しています。
 ここでは、ビルダー(洗浄助剤)と酵素について、詳しく取りあげます。

表1. 洗たく用洗剤に使われている主な成分表1.  洗たく用洗剤に使われている主な成分


主剤と添加剤の配合を工夫し、洗浄効率を高めている

 ビルダー(洗浄助剤)は、洗剤にはかかせない添加剤で、界面活性剤といっしょに配合することで洗剤の洗浄力を増強します。その他の添加剤は、洗剤の品質の安定化や、性能を付加したり強化する目的で配合されています。
 粉末洗剤と液体洗剤では、主剤である界面活性剤と、添加剤の組み合わせ方に違いがあります(図1)。

図1. 洗たく用洗剤の形態で異なる主な成分と配合割合
※同一使用量で比較した場合のイメージ図

図1. 洗たく用洗剤の形態で異なる主な成分と配合割合 
※同一使用量で比較した場合のイメージ図↑クリックで拡大

 たとえば、粉末洗剤によく使われる陰イオン(アニオン)界面活性剤は、ビルダー(洗浄助剤)の一つである水軟化剤を配合し、金属イオンなどの硬度成分を取り除くことにより、水の硬度が高くても、泥汚れや油汚れ全般に優れた洗浄力を発揮できるようにしています。一方、液体洗剤によく使われる非イオン(ノニオン)界面活性剤は、水の硬度に左右されにくいので、通常、水軟化剤を配合しません。また、洗濯機の大型化・節水化により、洗たく時に使う水量が減ってきているため、分散剤などの、再汚染を防ぐ成分の役割はますます重要になっています。
 こうした点は、配合の工夫のごく一端で、あらゆる観点から主剤・添加剤を最適に組み合わせることで、洗剤の洗浄効率やすすぎ性を向上させることができています。また、洗剤による環境への影響を最少化していく面でも、高度な配合技術が貢献していると言えるでしょう。


洗たく用洗剤に配合されている酵素とは

 人の体内に消化酵素があるように、酵素は自然界の動植物からつくられる触媒の一種です。皮脂や垢などのタンパク質汚れを落とす効果に優れているため、1970年代後半頃から、プロテアーゼをはじめとする酵素が粉末洗剤に使われはじめました。もともと液体洗剤への配合が難しいとされてきましたが、技術開発がすすむにつれて採用が広がり、今やほとんどの洗たく用洗剤に酵素が配合されています。ただし、酵素(プロテアーゼ)入り洗剤は、タンパク質からなるウールやシルクなどの動物性繊維には適しません。これらの衣類には、酵素(プロテアーゼ)無配合のおしゃれ着用洗剤をお使いください。

<プロテアーゼ(タンパク質分解酵素)>
 古くから洗たく用洗剤に使われている代表的な酵素で、垢汚れや血液、食べこぼしなどのタンパク質汚れを直接分解します。タンパク質には繊維と汚れの結びつきを強める作用もあるため、洗剤にプロテアーゼを配合することで、ほかの汚れも落としやすくなり、洗浄力が高まります。

<セルラーゼ(セルロース分解酵素)>
 木綿の単繊維1本1本の内部にあるすきま(非結晶質)に働きかけ、繊維の奥深くに入りこんだ汚れを除去しやすくします。これにより、衣服が黒ずむのを防いだり、白さや色合いを保つ効果もあります。

<リパーゼ(脂質分解酵素)>
 皮脂や、食品に含まれる脂質を分解するほか、界面活性剤の洗浄作用のひとつである乳化作用を促進します。衣服の襟や袖口についた頑固な汚れや、食べこぼしなど、シミになりやすい汚れに有効です。

<アミラーゼ(デンプン分解酵素)>
 お米やカレーなどの食品に含まれるでんぷん質を分解します。食べこぼしによる汚れやシミに有効です。

図2. 酵素はそれぞれ異なる汚れに作用する図2.酵素はそれぞれ異なる汚れに作用する

図3. セルラーゼのはたらき図3.セルラーゼのはたらき

時代のニーズによって、洗剤の配合も変化

 近年、日本人が好む白色のニュアンスが「青みの強い輝くような白さ」から、「生成りや自然な白さ」へと変わってきたと言われています。白物衣類の白さを保つには、蛍光増白剤を配合した洗剤が効果的ですが、生成りや淡い色の衣類を洗うニーズとともに、蛍光増白剤を配合していない洗剤も増えました。また、洗たく物を部屋干しする人が多くなり、漂白剤入りの洗剤、抗菌防臭成分入りや、芳香性の強い洗剤・柔軟剤の需要も高くなっています。


▲上へ

HOMEJSDAの活動安全と環境誤飲誤用石けん洗剤知識役立つ情報クリーンキャンペーンCLEAN AGEこどものページJSDA概要沿革組織 会員統計資料 刊行物リンク総目次English

日本石鹸洗剤工業会 (JSDA)

© Japan Soap and Detergent Association 2000