おさえておきたい『除菌』表示のポイント
「除菌」ができる洗剤類を
効果的にお使いただくために…
洗剤類の「除菌」表示には根拠があります
「除菌」ができる洗剤類には、洗濯用洗剤や台所用洗剤、住宅用洗剤などの種類があります。これらの「除菌」表示に関しては、統一された基準が設けられています(下枠内参照)。
「洗剤の除菌表示」のための統一基準(概要)
●洗剤・石けん公正取引協議会が定める公正競争規約・施行規則(以下、規約と略記)のなかに、「洗剤の除菌表示」に関する統一基準があり、これを満たす合成洗剤または石けんに「除菌」表示をすることができます
●規約により、「除菌」とは、対象物から増殖可能な細菌の数(生菌数)を有効数減少させること*と定義されています
*ここでいう細菌にはカビ・酵母などの真菌類は含まない
●規約に定められた除菌試験方法により、代表的な2菌種(黄色ブドウ球菌、大腸菌)について試験を実施し、「除菌効果のない対照試料」に対して生菌数を100分の1以下に減少させる(除菌活性値が2以上の)能力があれば、基準を満たしていると認められます
基準の詳細は公正取引協議会のページからご覧いただけます
「除菌」表示を行なうメーカーは、この統一基準に従って除菌試験を実施し、製品の除菌効果を科学的に実証しなければなりません。このほか、特定の用途などについて除菌効果を訴求する場合も、別途除菌試験を実施したうえで表示を行なう必要があります。
「除菌」表示を見るときは、ここに注意!
「除菌」表示は、除菌がすべての菌種について実証されていることを示すものではありません。細菌は多種多様で、すべての菌種について試験することは不可能なため、性質の異なる代表的な2つの菌種で除菌効果を確認しています。そのため表示には、「すべての菌を除菌するわけではありません」などと書かれています。
台所用洗剤を例にとりあげると、スポンジ除菌ができるものや、ふきんやまな板の除菌ができるものなどがあり、「除菌」製品のバリエーションは豊富です。各製品の表示には、除菌の対象物や、除菌効果を得るための使用量や使い方などの条件が具体的に書かれていますので、一度確認してみましょう。表示の全体をよく見て、より目的に合った製品を選ぶことが大切です。
<台所用洗剤の除菌表示の一例>
「抗菌」表示との違いは?
洗剤類の表示において、「除菌」と「抗菌」は明確に使い分けられています。家庭用の洗剤類では、「除菌」は対象物から菌を減少させること、「抗菌」は菌の増殖を抑えることを意味します。「除菌」と「抗菌」の違いを理解して、製品を上手にお使いください。
「殺菌」表示ができる製品は?
薬用タイプの石鹸・ハンドソープは、薬機法(旧薬事法)の対象となる「医薬部外品」に該当するため、表示に「殺菌(菌を殺す・死滅させる)」や、「消毒」という表現を使うことができます。洗剤や漂白剤などは該当しないため、これらの表現を使うことはできません。