古代、人は水洗いや灰汁・植物で洗濯をしていましたが、紀元前3000年代のシュメール(現在のイラク)の記録粘土板に、すでに薬用としての石けんが登場しており、塗り薬や織布の漂白洗浄に使われていたようです。羊を焼いて神に供える習慣のあったサポーの丘では、したたり落ちた羊の脂と灰が雨に流され、それが川に堆積した土の中に、自然に石けんらしきものができたと言われています。この“不思議な土”は、汚れをよく落とし、洗濯ものが白く仕上がるとして珍重されました。石けん=ソープ(Soap)の語源は、この“サポーの丘”に由来しているといわれています。宗教的儀式が思いがけずもたらした発見です。
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