日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2024年3月29日更新
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参照カテゴリ> #01.社会 #06.CLEAN AGE 277号 

* シリーズ
つかう人、つくる人

社会をより良くしていくための資源・環境・安全への取り組み
一緒に考えてみませんか

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森若 博文 さん(左・室長) 川上 タケル さん(右)
花王株式会社 研究開発部門 包装技術研究所

インタビュー
 2040年までに「ごみゼロ*」を掲げる花王(株)は、台所用洗剤『キュキュット』の詰め替え容器を「未来にecoペコボトル」に一新し、新発売しました(2023年9月〜)。つかう人・環境・未来を想う容器づくりに迫ります。

*資源循環型社会の実現に向け、事業活動に伴い使用・排出されるプラスチック包装容器に関し、2040年までに「ごみゼロ」、2050年までに「ごみネガティブ」を目標に掲げています。


薄いだけじゃない、詰め替えやすくてペコッとつぶせる容器


 『キュキュット 未来にecoペコボトル』はまったく新しい詰め替え容器です。従来の特大サイズの重量を45gから23gへとほぼ半減させたことで、プラスチック使用量をシリーズ合計で毎年1000トン以上削減できるようになりました※1。素材は環境にやさしい100%再生プラスチック(飲料などの指定PETボトルをリサイクルした再生樹脂)に変更し※2、容器の生産・廃棄にかかるCO2排出量も削減しています※3

※1.プラスチック使用量を約40%削減 (容器の従来品重量比)
※2.特大サイズ(700ml):100%再生プラスチック(PET)採用、超特大サイズ(1,250ml):植物由来の原料を一部採用、着色剤(特大サイズのみ)、ラベルフィルム、キャップは除く
※3.特大サイズ(700ml):CO2排出量 を約47%削減、超特大サイズ(1,250ml):CO2排出量を約20%削減、従来品比(通常品の1回使用分での比較)

 単にプラスチック使用量を減らしたわけではなく、つかう人の視点で詰め替えやすい容器にしました。ボトルは極限まで薄く軽くする代わりに、表面にたくさんリブ(凹凸)をつけて強度を高めています。片手で持ったときの注ぎやすさや、必要な耐久性を保ちながら、詰め替えた後は力の弱い人も簡単にペコッとつぶせて、小さく排出できることが特徴です。

『キュキュット 未来にecoペコボトル』新・詰め替え容器

ecoとつかいやすさを両立する形状を1年以上かけて探求


 『キュキュット』の詰め替えボトルのリニューアルが持ち上がった2019年当時は、プラスチック使用量が少ないパウチが有力な候補でした。どちらがより詰め替えやすいのか、家庭訪問をして調査すると、台所用洗剤の本体は細長く口が狭いため、液を詰め替えるときに倒れにくい・こぼれにくいのはボトルのほうでした。つかいやすさを最優先したかったので、「ボトルだけどパウチくらい薄くて環境にやさしい容器をつくる!」と社内で宣言しました。PET素材を使えば飲料用と同じくらい薄いボトルはつくれると思いましたが、「ecoとつかいやすさの両方でパウチに負けない詰め替えボトル」というのは、前例がありません。そこで、花王が容器の設計をゼロから手掛けるという、挑戦が始まりました。
 『未来にecoペコボトル』の設計で苦労したのは、つかうまではつぶれにくく、つかった後はつぶしやすいという、相反する条件を両立することです。高さと幅の比率、周囲、リブの入れ方など、無限の組み合わせのなかから、最も「ecoでペコ」な形状を探して、形状設計とシミュレーションに1年以上費やしました。途中、洗剤を充填するテスト中にボトルの角が凹む問題も生じ、時間もなくなり焦りましたが、合計で100種類弱の形状を検討し、ついにデザインが完成しました。  


ペコッと音がすること、つぶしたくなることにこだわった


 当初は、ボトル1本あたりのプラスチック量を30gで設計していました。しかし、容器メーカーで成形してもらったボトルは、つぶしたときにペコッという音が鳴りませんでした。以前と比べればかなり薄いため、「これで十分だよ」という声も聞こえてきて気持ちは揺れましたが、最後まで「ecoでペコ」を諦めず、設計をひたすら直して、23gまで薄くしました。音にこだわったのは、驚きや楽しさが伴い「つぶしたくなる」からです。将来は、このボトルから環境意識が広がって、生活者にとっても地球環境にとっても明るい未来になるという想いも込め、『未来にecoペコボトル』と名付けました。  


環境によい行動を誰もがとりやすい容器や仕組みをつくる


 『未来にecoペコボトル』は生産設備も変更したため、検討から発売まで約4年かかりました。その間、異なる部署や開発推進者が粘り強くコミュニケーションを積み重ねたことで、常識を覆す新しい容器がつくれたと思います。また、つかう人・持ち運ぶ人・店頭に並べる人・詰め替える人・つかい終わった人など、さまざまな視点を設計に反映しました。
 つくる側だけの視点だと、つくりやすいものになりがちです。今回も、外装ダンボールを厚くすれば、ボトルはさらに薄くできたかもしれませんが、店舗の開梱作業の負担は増えてしまいます。つくる側の考えだけではなく、みんなが「これなら協力したい」「捨てずに資源に変えていこう」と思えるような容器を、『キュキュット』のほかにも増やしていきたいです。



 川上さんも出演、YouTube動画「【徹底比較】バッキバキの腹筋ボディに生まれ変わった!?」はこちら⇨ https://www.youtube.com/watch?v=ziglXt75Dec



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