■世界的に見ると「洗剤問題」は日本だけの特異な現象です |
世界の国々の中で、洗剤を石けんに替えることで環境が改善されたり、使用上の安全性が高まるという主張や運動がなされている国は日本だけです。過去には、日本からこの運動が、韓国や台湾に“輸出”されたことがありますが、いわゆる「洗剤問題」は現在、日本の特異な現象です。一部の洗剤反対運動がいまだに提起する問題の多くは、前提条件が明確でないものや、あるいは前提条件が実際の使用条件を無視した極端な条件下での実験や、再現性に欠けるデータを基にしています。そのうえ、これらの主張は“はじめに結論ありき”で構成されており、残念ながら科学的な正しい根拠に基づいた議論とは言えないものです。
昨今は、生産量が多い物質を中心に、安全性再点検作業が国際規模で活発に行われています。これには石けんや洗剤の原料も含まれており、信頼性の高いデータを基にした評価書が公表されています。
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■日本石鹸洗剤工業会は洗剤の正しい知識の普及のために、
情報提供活動を続けます |
現在でも、洗剤を追放しようとする活動が一部に残っています。1960年代の極端な洗剤の有害情報をそのまま今日まで使っている、という面もあります。なかには、消費者に不安を与えるような情報を意図的に流したり、PRTR法を曲解して伝える人達も見うけられます。消費者相談機関や、消費者の指導・啓発に当たられる立場の方々には、過去のいきさつにとらわれることなく、常に最新の科学的情報をご理解いただくことが期待されます。
日本石鹸洗剤工業会では、今後も政府・地方自治体・消費者団体・マスコミのみなさまに、洗剤の正しい知識の普及に役立つ情報提供に努めてまいります。また、消費者のみなさま向けには、洗剤の適正使用や安全性などの情報を、今後もホームページや広報紙で、お知らせしてまいります。
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■洗剤を正しく理解するための書籍を紹介します |
洗剤の安全性について誤解を煽るような書籍やインターネット情報が氾濫しています。
そのような情報に惑わされないために、次のような書籍を紹介します。
『Q&A 水環境と洗剤』日本水環境学会編(ぎょうせい 2000年1月)
『石けん・洗剤100の知識』左巻健男監修(東京書籍 2001年4月)
『石鹸安全信仰の幻』大矢勝著(文藝春秋 2002年7月)
『くらしと洗剤』(日本石鹸洗剤工業会 2005年6月) |