衛生的で健康な暮らしに不可欠なものとして、人々は古くから各種の洗浄剤を利用してきました。毎日のように、そして生涯にわたり使うものだから、洗剤類は、使う人の健康を損ねることなく、安心して使うことができる前提で製品化されています。その安全性は、あらゆる視点に立って検証され、科学的な根拠に基づき確かめられています。
|
● 洗剤の安全性とは |
洗剤に配合される成分の基本要件は、人に重篤な悪影響(がん、奇形など)を与えないことです。
製品においては、通常使用時に人に副作用などの影響がないことはもちろん、仮に誤使用した場合も、応急処置をすれば一過性の副作用で済むことが、使用上の安全性を担保することになります。また、使用者が危険性を充分認知できる表示を行なうことも重要です。
|
● 人体への影響を予測するには? |
まずは国内外で蓄積されている膨大な安全性情報や類似物質の情報を活用し、製品に配合される成分の安全性を一つ一つ確認します。製品の安全性を保証するために足りないデータがあれば、追加で安全性試験を行ないます(評価項目は下図を参照)。
調査や試験によって得られた科学的データに基づき、人への影響を予測します。たとえば、洗剤の長期使用に伴う慢性影響を評価するには、慢性毒性データから人が一日に摂取しても問題ないと推定される量(TDI:耐用一日摂取量)を求めます。次に、実際に人が一日に摂取すると推定される量(EHE:推定一日摂取量)を算出し、2つの量を比較します。 |
● 洗剤が人の健康に与える影響は? |
洗剤の主成分である界面活性剤の種類ごとに、下図のようなリスク評価結果が出ています。TDI値とEHE値を比較する方法では、EHE値がより小さいことを確認します。
TDIよりEHEのほうが小さい・・・
TDI値は、動物実験で得られた結果を人にあてはめるさい、安全率を見込んで、より小さい値が採用されています。その値よりも、実際に人が1日に摂取すると推定される量(EHE)が小さいので、人が一生、洗剤を使い続けても問題がないと判断できます。 |