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2011年9月15日更新
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参照カテゴリ> #01.社会 #06.CLEAN AGE 227号 

*シリーズ リスクコミュニケーション---2

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洗剤の「環境影響」は
どのように調べるのか?



 洗濯や入浴、台所の洗いものや部屋の掃除など、暮らしに欠くことのできない場面で洗剤は活躍しています。使用後には汚れとともに生活排水として家庭から川や海などの水環境中へと出ていきますが、洗剤類の主成分には水環境中での分解性に優れた界面活性剤が配合されています。また排水の一部となり水環境中に排出されても、それが水中の生物などに悪影響を及ぼすことがないように、さまざまな配慮や、確認作業が行なわれています。

代表的な4種の界面活性剤、家庭からの排出量は?

※家庭からの排出量は、2001年に施行されたPRTR制度
 に基づき、国が推計して公表した2008年時点の数値fig1

生活排水が浄化される仕組み

 生活排水のほとんどは、下水処理場や合併浄化槽で処理され、きれいな水に戻して、川や海にかえされています。長年、各自治体で下水道整備などの努力が続けられた結果、現在の排水処理普及率は約86%に達しました。一部の地域で、未処理のまま排水されることもありますが、自然環境のなかで生分解などによって浄化されます。

fig2
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河川環境(水生生物)に対するリスク評価

 では実際に、水環境中で界面活性剤が生態系に影響を与えることはないのでしょうか? それを科学的にチェックするために「リスク評価」が行なわれます。評価する際の指標として、PNEC(Predicted No-Effect Concentration:予測無影響濃度)と、PEC(Predicted Environmental Concentration:予測環境濃度)が用いられています。

 PNEC(ピーネック)
 水生生物に影響がない濃度を求める

 水系生態系を構成する生物を対象に、界面活性剤が与える影響をさまざまな角度から調べるため、主に右図のような生物種を用いて試験を行なっています。
 得られた有害性(ハザード)のデータを解析して、最も強く影響が出た生物種のデータをもとに、界面活性剤の「予測無影響濃度(PNEC)」を求めます。
fig3

 PEC(ペック)
 現実の環境中での予測濃度を求める

 河川モニタリングでは、水中の界面活性剤濃度を定点観測し、水生生物が摂取したり接触するであろう量や濃度(暴露)を推定しています。全測定結果を統計処理した95パーセンタイル値を、界面活性剤の「予測環境濃度(PEC)」として採用しています。
 現実的なリスク評価を行なうには、どの河川のどの場所を調べるかも重要です。もともと魚が棲んでいないような排水路などを調査しても、河川の実態把握にはつながりません。

◆日本石鹸洗剤工業会が長年自主的に取り組んでいる
 界面活性剤濃度の測定(河川モニタリング)
fig4

洗剤が河川環境(水生生物)に与える影響は?

 界面活性剤のPNEC値とPEC値を比較して「リスク評価」を行ない、その結果から生態系への影響を確認します。

fig5
fig5

 PNECよりPECのほうが小さい・・・ つまり…

 実際の河川中における界面活性剤濃度は、水生生物に影響がないと考えられる濃度よりも低いので、現在、洗剤による環境影響は少ないと判断できます。



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