日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
home JSDA概要 沿革 組織・会員 統計 資料・刊行物 リンク 総目次 English
JSDAの活動 安全と環境 石けん洗剤知識 役立つ情報 クリーンキャンペーン CLEAN AGE
2012年9月15日更新
01.*石洗工の容器包装と3R対策 *目次へ 
参照カテゴリ> #06.CLEAN AGE 231号 

*プラスチック資源回収の ゆくえ 第2回

←前へ 次へ→

どうなっているの?

プラスチック資源回収の ゆくえ 第2回

容器包装プラから化学製品を製造・ケミカルリサイクル事例



  国内最大規模のガス化プラントを有する、昭和電工株式会社・川崎事業所のケミカルリサイクル施設を見学しました。自治体により回収された容器包装プラスチックから合成ガスを生成し、アンモニアなどの化学製品にほぼ100%リサイクルしている、日本でも有数のゼロエミッション型施設です。

 アンモニアの主原料となる水素は、石油の精製品から取り出すのが一般的ですが、廃プラスチックをガス化することでも得られます。この施設では、水素と一酸化炭素を主体とする合成ガスをもとに、主にアンモニアを製造しています。

 ガス化による廃プラスチックのリサイクルは、ケミカルリサイクル手法のひとつです。容器包装リサイクル法では、膨大なリサイクル費用を、容器包装にかかわる企業からの拠出金でまかなうと決められています。昭和電工は指定法人としてリサイクルを受託するため、国と市の川崎臨海地区エコタウン事業のもと、2003年からガス化プラントを稼動させました。

 リサイクルの意義は、ごみを資源に変え、環境負荷を低減していくことにあります。そのため、リサイクル効率や、エネルギー効率の良し悪しも無視できない要素です。たとえば、廃プラスチックを樹脂製品などに再生することをマテリアルリサイクル(材料リサイクル)といいますが、この方法では多くの残渣(ざんさ)が発生します。残渣とは、リサイクルしきれなかった残りカスのことで、結局ごみとして処分しなければなりません。埋め立て処理を避けるために、再度サーマルリサイクル(エネルギー回収)などを行なう必要があるのです。ケミカルリサイクルでは、残渣の発生量はより少なくなりますが、ゼロというわけにもいきません。

 昭和電工のリサイクル施設は、そうした残りものもほとんどすべて資源として再生するように設計されています。ごみをゼロにしたうえ、何種類もの製品化に取り組んでいるのが特徴です。

 ガス化プラントでは、合成ガスを生成する際の反応熱を効率的に利用しています。また、廃プラスチックを高温加熱する際は、有害物質の発生抑制にも細心の注意が払われます。「ガス化改質方式」によりダイオキシンを高温で分解除去した後急冷して再合成を防止しています。また、リサイクル施設から発生する排気ガスは直接外に出さない仕組みとなっています。


容器包装プラスチックごみを減らすために…

 ごみ問題で最も重要なのは、ごみの排出量をできるだけ減らすことです。容器包装プラスチックごみの削減には、コンパクト化した製品や、詰め替え用パウチ・付け替え用製品の普及促進が、高い効果をあげています。


photo昭和電工のガス化プラント

←施設面積は約1万4千m2。24時間操業で廃プラスチックを1日約195t、年間約6万4千t処理。合成ガスからアンモニアを中心に製造している。

photoまず破砕成形設備でRPF化


←家庭から分別回収された容器包装プラスチックや、事業所からの廃プラスチックなど、多種のプラスチックをまとめて破砕。
photo←金属などの異物を磁力選別機で除去し、少しの熱で軟化させ圧縮成形(RPF化)する。 

photoごみを出さないゼロエミッション型のリサイクル

←RPFをガス化プラントへ運び、低温・高温の2段階の炉で酸素と蒸気を加え蒸焼きにすると、水素と一酸化炭素を多く含む合成ガスが得られる。混入していた金属やゴム類、リサイクル過程で除去した塩素なども、新たな製品の原料となる。


photo 合成ガスは、水蒸気と反応させ、水素と二酸化炭素をつくる。水素を主原料として製造したアンモニアは、医薬品、化学繊維、クリア系樹脂やLEDの原料となるほか、排気から窒素酸化物を除去したり、フロンを代替する物質として環境保全にも役立てられる。二酸化炭素は、ドライアイスや飲料用の炭酸ガスなどに製品化されている。

←アンモニアが主成分の製品例(医薬品)



▲上へ

HOMEJSDAの活動安全と環境誤飲誤用石けん洗剤知識役立つ情報クリーンキャンペーンCLEAN AGEこどものページJSDA概要沿革組織 会員統計資料 刊行物リンク総目次English

日本石鹸洗剤工業会 (JSDA)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-13-11 TEL 03-3271-4301 FAX 03-3281-1870
Copyright(c) Japan Soap and Detergent Association 2000-2012 All Rights Reserved.