洗剤類の容器包装プラスチック使用量
「第三次自主行動計画」3年目は41%削減
当工業会は1995年から容器包装プラスチック使用量の実態を把握し、会員社による削減活動を推進してきました。現在は2016年の「第三次自主行動計画(5ケ年計画)」の目標『主要8製品群※1における原単位※2を2020年までに1995年比42%削減する』に取り組んでいます。
計画3年目の2018年度は41%削減を達成しました。
※1 :グラフ参照 ※2:製品出荷量あたりの容器包装プラスチック使用量
←2019年12月20日の記者発表の様子。左から、環境委員会の田中委員長(ライオン(株))、容器・廃棄物専門委員会の奥野委員長(花王(株))、環境・安全専門委員会の吉田委員長(ライオン(株))
容器包装プラスチック使用量と削減の推移〔1995〜2018年度〕

2018年度は製品出荷量の伸びにより、対象製品群の容器包装プラスチック使用量が82,700トン・前年比5.5%増となりました。当工業会の目標基準である原単位(製品出荷量あたりの容器包装プラスチック使用量)は50.2kg/トンで前年より若干増加しました※3。
原単位が増加した要因には、新製品の発売やラインナップの追加にともない、本体ボトル容器の割合が全製品出荷量に対して増えたことがあります。引き続き、環境負荷の少ない本体ボトルの開発と詰め替え・付け替え用製品の普及をすすめ、使用量の削減に努力していきます。
※3 当工業会「環境年報2019年度版」より
●当工業会の環境対応と最新のデータを収録した「環境年報2019年度版」を刊行しました。取り寄せ方法は「資料・刊行物」のページをご覧ください。
■削減を推進するための施策
①家庭用の主要8製品群を扱う会員社を対象に実態調査
1995年から環境委員会と容器・廃棄物専門委員会で、会員社が容器包装に使用したプラスチックの量を調査し、情報を共有しています。結果は環境年報にまとめて毎年12月に刊行しています。
②環境配慮設計チェックリストの活用
1削減のヒントとして、製品ライフサイクル(原材料調達、生産、物流、販売、使用、廃棄・リサイクル)における「環境配慮設計チェックリスト」を作成し、会員社で活用しています。
③容器包装廃棄物の排出抑制(リデュース)の促進
削減に大きく貢献する環境配慮型容器の普及を促進しています。全製品出荷量における詰め替え・付け替え用製品群の割合は79%、コンパクト型製品は41%です※4。
※4 当工業会「環境年報2019年度版」より
④会員社による削減の事例集を公開
2019年に追加した新たな削減事例を一部紹介します。リデュース(排出抑制)の基本的な手法は、容器の簡素化・軽量化・減容化・商品自体の改善による容器の減量などです。近年は再生樹脂やバイオ樹脂を使用したり、製品ライフサイクル全体でCO2や環境負荷を減らしたりと、多様な環境配慮を採用する動きもあります。
▼ 仕様設計段階における「詰め替え化」
◆クラシエホームプロダクツ(株)/シャンプー・リンス(2019年度発売)
詰め替え用製品の発売によりプラスチック使用量を約70%削減(本体ボトル重量比)
▼ 仕様設計段階における「軽量化薄肉化」
◆ユニリーバ・ジャパン(株)/シャンプー(2019年度発売)
製品の内容量を変えずに形状変更することで、ボトルの樹脂量を約9%削減
▼ 仕様設計段階における「パーツ減」
◆(株)資生堂/その他:洗顔料(2018年度発売)
包材の使用量を削減するため、シュリンクフィルムを完全にやめました
▼ 仕様設計段階における「軽量化薄肉化」
◆ライオン(株)/柔軟仕上げ剤(2018年度発売)
パウチの高さの見直し(300mm→290mm)によりプラスチック使用量を約5%削減
▼ 材料設計段階における「バイオ樹脂採用」ほか
◆花王(株)/ボディ用洗浄剤、シャンプー・リンス(2019年度発売)
詰め替え用製品のフィルムの肉厚を18%削減。フィルムの使用面積を約35%削減、スパウトにバイオ樹脂を約50%導入。これによりCO2排出量を約3%削減
▼ 廃棄リサイクル段階における「易減容化」
◆サンスター(株)/その他:デンタルリンス(2018年度発売)
ボトルの形状変更と併せて薄肉軽量化、プラスチック使用量を約30%削減。大容量ポンプサイズのボトルに廃棄時に小さく畳める折り畳みリブを設けた