日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2025年6月16日更新
01.*石洗工の調査・研究 *目次へ 
参照カテゴリ>#06.CLEAN AGE 282号

*河川環境モニタリング最新結果


*JSDAの調査研究活動〜水環境学会


環境モニタリングのための
河川試料水の採取現場リポート

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 環境モニタリングの目的は、河川の界面活性剤濃度を調べ、その結果をもとに生態リスク評価を行なって、水生生物への影響を確認することです。当工業会は1998年から、この活動をたゆみなく進めてきました。
 調査場所は家庭からの生活排水が流入する可能性が比較的大きい、都市周辺の河川です(東京都の多摩川、荒川、江戸川、大阪府の淀川の計4河川7地点)。
 現在は、表層水・底質の2種類の調査を一年に数回行なっていますが、透明性確保のため、試料採取・分析測定・データ作成を第三者機関に委託しています。近年の委託先である(株)環境管理センターが、河川の試料水を採取する現場を取材しました(取材日:2025年3月11日)。


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◆株式会社環境管理センター

写真の左から、ソリューション事業部 環境政策部 政策企画グループ 牛岡 聡司さん、営業本部 営業3部1G 三浦 佑太さん、技術センター 環境調査グループ サブグループリーダー 田中 湧基さん、同グループ小島 真奈さん。



1.江戸川・金町(東京都葛飾区)

 まず江戸川・金町浄水場のトンガリ帽子の取水塔前に集合しました。現地で河川の水面・河床の状況、pH・臭質・色相・透視度といった一般項目を記録します。この日採取した水は、付着藻類から生じる微かな“川藻臭”がしました。

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 水質一般項目の定点観測によって、河川の状況や変化を適切に捉えることができます。たとえばpHの変動は、水位や色相、流れの速さ、付着藻類の量といった現場の状況が関係しているため、それらを勘案して検討されます。


2.荒川・笹目橋(東京都板橋区〜埼玉県戸田市)

 次は荒川・笹目橋です。周囲の複数の下水処理場から、処理済みの生活排水が多く流れ込む場所です。有機物量や界面活性剤濃度が比較的高い地点からも試料水を採取することで、分析に必要な情報やデータを充実させています。

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 下水処理場から放流された水は、河川を流れるうちに希釈され、水中の界面活性剤は微生物や河床付着生物のはたらきなどによって分解されます。初夏から秋口にかけては河川の流量が多く、微生物の活性も高いため、界面活性剤濃度は低くなる傾向があります。


界面活性剤の検出感度の向上に向けた取り組み)

 当工業会は、環境モニタリングにおける界面活性剤の検出感度をさらに向上させるため、環境・安全専門委員会が中心となって、より精度の高い分析法を研究しています。対象物質によっては分析法が確立されていないことから、新たな開発にも取り組んできました。
 分析法の開発は、(株)環境管理センターと協力して進めています。その成果として、AEの分析については河川表層水の試料​の前処理方法を​2020年に、底質の試料の前処理方法を2024年に改善したほか、底質中LASの分析については2023年からサロゲート物質(分析対象と近い性質で標識となる物質)を用いた方法を採用しています。



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