代表的な4種の界面活性剤について、2010年度の環境モニタリング結果を表中に示しました。LASを例にとると、<4(定量下限値)〜18μg/Lとの数値が得られていて、これを予測無影響濃度(PNEC)の270μg/Lと比較すると、大変小さい値です。このことから、LASが河川環境において水生生物に与えるリスクは低いと判断できます。PNECとは、この数値以下であれば魚などの水生生物に影響がないと予測される濃度で、複数の有害性データを解析し算出された値です。
環境モニタリングは、界面活性剤の種類ごとに実施され、河川水中の濃度を調べるために、都市周辺の4河川(多摩川、荒川、江戸川、淀川)を選定し、合計7地点で毎年4回ずつ、測定を行なっています。表中の調査最大値の欄には、過去のモニタリングで測定された最大値を示しています。この値もPNECを大幅に下回っていることから、調査を開始した1998年から13年間継続して、河川環境における界面活性剤のリスクは低く、懸念されるレベルではないことが確認できました。
当工業会は、洗剤等の主要成分のリスク評価を自主的に進めています。上記の界面活性剤4種とAES(ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩)、蛍光増白剤のリスク評価が完了し、結果を公表しています。今後も新たなデータや研究成果について学会や記者会見で報告し、当広報紙やホームページでお知らせしていく方針です。
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