日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
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2015年12月15日更新
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* AOSDAC 2015

 

>開催報告

<Report of the 10th AOSDAC

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<1st Circular (Japanese)

 

 
第10回アジア・オセアニア石鹸洗剤工業会会議 2015年10月16日東京開催
“アジア・オセアニア地区における持続的成長”
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 AOSDACは、アジア・オセアニアの9つの国や地域から、石鹸や洗剤の生産・販売に従事する9団体が集まる国際的な会議であり、隔年開催されています。10回目となる2015年は、10月16日に東京で当工業会(JSDA)が主催して開かれました。その模様をお伝えします。

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↑開会の挨拶をする当工業会会長 澤田道隆

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↑議長を務めた同理事 竹下ひとみ
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↑会場のイイノホール&カンファレンスセンター


“アジア・オセアニアにおける持続的成長”のため、国や地域を越えて学び、イノベーションを後押しする 

 開会に際し、来賓の福島 洋 氏(経済産業省 大臣官房審議官)は、「石鹸洗剤業界は日本の一大産業であり国民生活に密着した分野。化学技術を賢く使い、持続的発展可能な社会の原動力となることを期待している」と挨拶しました。その後、当工業会の澤田道隆会長が基調講演を行ないました。
 澤田会長はまず、アジア・オセアニア地域全体は経済も人口も成長中であり、それに伴い世界最大のCO2排出地域となるなど、社会問題に対する責任も拡大していると話しました。工業会は、社会的信頼やイノベーションを得て課題に対応していくために、企業や地域、国を越えて学び合うことが重要だと述べ、「各々のイノベーションが、地域や社会へと広がり、やがて世界全体の発展につながっていく」と強調しました。
 また、当工業会の役割について、1970年代に洗濯用洗剤の無リン化を先導し短期間で成果を得たことなどに触れて、課題があれば解決策を提案し、イノベーションを後押しする役割を果たしていくと述べました。

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↑基調講演を行なう澤田道隆会長


AOSDAC加盟工業会による発表〜招待講演
〜JSDAの重点活動報告〜


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↑AOSDAC 2015参加工業会の面々

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JSDAの近年の活動概要を発表した片桐 勤 専務理事に、その他の講演についてもうかがいました。




●近年の市場動向〜AOSDACメンバーの発表より


 当工業会は、日本市場における近年の主要トピックとして、洗濯用洗剤が粉末から液体へとシフトしたことを挙げました。液体タイプは約7割を占め、そのうち「すすぎ1回」の超濃縮タイプが約4割です。後者は洗濯に使う水と電力を節約し、容量が従来の半分以下となるため、生産・輸送・廃棄の全過程でCO2削減効果があることを紹介しました。
 また、サステナブルな活動として、製品の安全性を高める取り組み、容器包装プラスチック使用量削減の推進、消費者および子供たちに対する手洗いや洗剤知識の啓発を重点的に取り上げました。聴講者からは、「中国では合成洗剤は危険だという誤解が多い。日本では安全性が理解されているのはなぜか?」との質問がありました。これに対し、「日本でもいまだに誤解が残っています。安全性の科学的な検証や、市民向けの啓発活動を長年にわたって継続することで、解決してまいりました。」と話しました。
 当工業会の他には、ACCORD(オーストラリア)、CCIA(中国)、IHPCIA(インド)、MSDA(マレーシア)、TSDA(台湾)、TSDMA(タイ)の各工業会が発表を行ないました。
 中国の石鹸洗剤市場の伸びは力強く、洗濯用洗剤では粉末と液体の比が約7対3で、液体が年々増加しているとのこと。コンパクトタイプが最新のトレンドです。マレーシアも、液体洗剤が伸びて約3割に達していますが、一番のニーズは粉末洗剤の付加価値向上にあるようでした。経済が好調な台湾は、液体洗剤が約6割まで伸張。付加価値が高くエコな洗剤が求められている一方で、価格競争が激化しているとのことです。インドでは、パーソナルケア、ホームケア製品ともに、ここ7年間で販売金額がほぼ倍増しました。
 オーストラリア、台湾、タイからは、各地域に特有の規制が、製品のイノベーションや市場の成長を阻害する要因になることがある、との報告もありました。


●化学物質管理とGHS〜招待講演より


 招待講演は、ACI(米国)、A.I.S.E.(欧州)、ACCORD、CCIAの各工業会により行なわれました。
 ACIは、洗剤がしばしば化学物質管理の対象となるのは、流通量が多く、消費者の化学物質に対する理解が十分でないためで、今後ますます、生産者や販売側の説明責任が増すだろうと話しました。CCIAは、中国のさまざまな規制について解説し、食品安全の問題を背景に台所用洗剤などが厳しい規制を受けている状況を説明しました。
 今回、各工業会はGHS表示の導入進捗についても報告しました。GHSは、化学製品の危険性や有害性を分類・表示するための世界共通のルールです。ACCORDは、アジア・オセアニア地域ではAPECのケミカルダイアログのもと議論が推進され、比較的早く導入に至った経緯を改めて評価しました。A.I.S.E.では、新たなネットワークのもとでGHS表示を改訂しており、消費者の立場から表示を最適化していくことが非常に重要との認識を示しています。

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↑左: Ernie Rosenberg氏(ACI)、右: Susanne Zänker氏(A.I.S.E.)
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↑左: Bronwyn Capanna氏(ACCORD)、右: Lei Zhang氏(CCIA)


●JSDA の重点活動〜主要トピックの詳細を発表

 最後に、当工業会から3名が重点活動の手法や成果に関する発表を行ないました。情報を公開し、アジアの新興市場の発展に役立ててもらうことが大きな狙いです。

photo蓼沼 洗たく科学専門委員会 蓼沼 裕彦 氏は、洗濯実態調査から得られた知見をもとに、洗濯用洗剤が粉末から液体に置き換わる経緯や消費者心理、洗剤類の使用傾向などを詳しく紹介しました。
photo蓼沼 製品安全表示検討ワーキンググループ 熊谷 善敏 氏は、GHS表示について発表しました。日本では台所用洗剤や塩素系漂白剤などに導入済みですが、消費者に十分に認知・理解されていないことを報告し、消費者に製品をより安全に使用していただくために、業界統一のアイコンについて検討中であると話しました。
photo柳田 容器・廃棄物専門委員会 柳田 康一 氏は、20年にわたる容器包装プラスチック使用量の調査・削減の活動を紹介し、2015年を目指した40%削減の自主目標が順調に達成できそうなこと、そこに寄与した詰め替え用パウチ容器の技術と普及について解説しました。

閉会の挨拶をする当工業会副会長 坂井 透↓
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以上、AOSDAC 2015の概要をお伝えしました。米国と欧州の各工業会からも最新情報が得られ、アジア・オセアニア地域の枠に留まらない有意義な国際交流が実現しました。次回のAOSDAC は、2017年に台湾で開催予定です。

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