洗濯を行った際の計量した洗剤量について、キャップやスプーンで何杯分かの申告から、標準使用量に対する比率をこちらで計算し、集計しました。半数以上がほぼ標準使用量(能書でメーカーが指定している洗剤量)どおりでしたが、ドラム式洗濯機ユーザーでは、少なめ(標準使用量の0.8倍以下)に使った方が27%と縦型洗濯機ユーザーよりもやや多いことがわかりました(図1)。
ドラム式洗濯機ユーザーが洗剤の使用量を決める際に意識するものとしては、洗濯物量が36%、洗濯機パネルが48%と、この二者で全体の84%を占めていました(図2)。また洗濯物量が多いと洗剤使用量が少なくなる傾向が認められました(図3)。これらについては縦型洗濯機ユーザーでも同じ結果が得られています。
「汚れが少ないから」、「洗浄力が十分だと思うから」など何らかの理由で洗剤を意識的に少なく使う方は1割程度で、大部分の人が意図せず洗剤を少なく使っていました。すなわち、洗濯機パネルや洗剤能書を意識していると回答しているにもかかわらず、洗濯物量が多くても特に調整しないで洗濯したり、洗濯物量を十分に把握していなかったりする方が多いため、適正な洗剤量を使用していないと予想されました。
そこで、洗濯物量を5kg以上と多めで洗濯した方について、①洗剤量を調整した(洗濯物量に対して意識が高い)、
②洗剤量を調整しない(洗濯物量に対して意識が低い)、の2群に分けて、能書記載の洗剤使用量と実際の使用量との比率を比較しました。その結果、洗剤の使用濃度平均は、いずれの群もほぼ能書どおりでしたが、洗濯物量に対して意識が低い群はブロードな分布を(標準偏差0.48)、洗濯物量に対して意識が高い方はシャープな分布を示し(標準偏差0.25)、少なめに使用した方も少ないことがわかりました(図4)。
洗濯機パネルや洗剤能書に漠然と従って洗剤を投入した方は、洗濯物量等に対する把握が充分でないのではと推察しています。
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