『洗濯実態調査 2020』の結果から
[2]洗剤と柔軟仕上げ剤の計量実態、香りづけの意識
前回調査2015年との比較を交えて報告します
日本石鹸洗剤工業会 洗たく科学専門委員会
山 田 勲 委員長
●調査の概要
【調査期間】2020年5月10日〜21日(日記式調査は同期間中の7日間)
【調査対象者】一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の2人以上の一般世帯で、縦型・ドラム式・全自動の洗濯機を最近5年以内に購入した、20歳〜50歳代の主婦
【調査対象人数】 アンケート調査:463人(そのうちドラム式ユーザーは110人 ※出現率約24%)/日記式調査:137人(縦型ユーザー66人、ドラム式ユーザー71人) /図中のN=対象人数、SA,N=単一回答数、MA,N=複数回答数
【調査方法】①アンケート調査:洗濯の実態や意識についてWEBで回答
②日記式調査:WEBで洗濯1回ごとの内容を記録(洗濯物の量や洗剤量などの実測値、配布したサンプル布を同時に洗濯し提出することを含む)

●洗剤量は容器やラベルを参考にする人が増加
洗剤を計量する際、容器やラベルの表示を参考にする人が63.5%に増え(前回41.2%)、洗濯機パネルの表示を参考にする人が30.5%に減少しました(前回53.9%)。
●洗剤量を自分で調整しない人が増加
洗剤の計量時に「自分で量を調節しない」人は63.1%でした(前回59%)。その割合は調査のたび増えています。
●自動投入機能はユーザーの約8割が常に利用
洗濯機の新たな機能を調査したところ、タンク式の洗剤・柔軟仕上げ剤の自動投入機能つき洗濯機の所有率は約7%、スマートホン連携機能つきは約9%でした。自動投入機能はユーザーの77%が常時使用し、80%が満足・やや満足と答えており、今後、利用者が増えていく可能性があります。
●柔軟仕上げ剤の利用頻度はほぼ横ばい
柔軟仕上げ剤は全体の91%が所有しており、洗濯のつど使用する人が74.6%(前回76.7%)、時々使用・たまに使用を加えた合計は93.6%でした(前回90.3%)。
●2倍以上の量で使う人が依然2割近くいる
柔軟仕上げ剤の意識調査で、容器やラベルの「目安どおり」の量で使う人は58.2%(前回48.2%)、「目安より多め」の量で使う人は16.6%でした(前回29.4%)。
一方、使用量の実測値は、洗濯機の縦型(全自動)ユーザーで目安の1.39倍(前回1.41倍)、ドラム式で1.38倍(前回1.47倍)となり、前回よりも適正に近づいていました。ただし、2倍以上の量で使う人が依然として多く、縦型(全自動)で20%(前回17%)、ドラム式で16%(前回19%)いました。
●洗剤類による香りづけニーズは高い
今回初めて、香りつき・香りなしの製品があった場合、どちらを利用したいですか? との意識調査をしました。「香りつきを利用したい」「どちらかといえば利用したい」の合計は衣料用洗剤で51.8%、柔軟仕上げ剤で80.3%となり、ニーズの高さが確認されました。
? 計量はどのように調節すべき?
洗剤類の容器やラベルの表示に「使用量の目安」があります。目安量は洗濯物の重量(Kg)や水量(L)に応じて変わるため、表示にそって計量・調節します。
! 洗剤類の量を、香りづけのために調節することは避けましょう
今回の調査で、香づけのニーズが高いことが判明しましたが、香りに強弱をつける目的で洗剤類の使用量を調節するのは避けましょう。洗剤を減らすと“汚れ残りや再汚染による黒ずみ”の原因に、柔軟仕上げ剤を増やすと“吸水性の低下”や“香りのマナー違反”につながります。
次号は、洗い方や乾燥方法の実態を報告します 。つづく