調査の結果を対象者ごとに整理し、表中のa)〜d)のように、洗剤を計量する際の行動によって分類しました。
実演で使用量が洗剤ラベルの目安量よりも少なかった人は、全対象者8人中4人でした。その内訳をみると、a)タイプは結果的に0人でしたが、事前調査ではa)〜d)のどの計量方法でも、洗剤量が少なめになる方がいました。
<洗濯物の総重量を上手く把握できていない>
縦型全自動洗濯機の場合は、水量(L)を基準にした洗剤使用量(杯数)がパネルに表示されますが、ドラム式洗濯機は洗濯物の量(kg)を基準に表示されるという違いがあります。この違いを知らなかったために、洗剤が適量とならない人がいました。また実演では、こちらで用意した様々な衣類を、普段の洗濯物と同じくらいの重さになるまでカゴに詰めてもらいましたが、全8人のうち5人は上手く再現できませんでした。普段から、洗濯物重量を(何kg洗っているのかを)把握していないと推察されました。
<意図的に使用量を減らす行動に、すすぎ不安が関与>
ドラム式洗濯機は回転が緩やかで水量も少ないため、すすぎ残しが不安になって洗剤を“ちょっと”減らす、という行動が見られました。実演では全8人のうち5人が洗濯機のすすぎ回数を1回に設定しており、そのため、すすぎ残しに不安を抱き、「注水すすぎ」にしたり、「洗剤量を“ちょっと”減らす」傾向が認められました。洗剤量を“ちょっと”減らすほかの理由としては、洗剤や洗濯機の性能が良さそうだから、汚れ落ちに問題がないから大丈夫、などがありました。
<委員会で作成した洗剤計量ラベルの表示案の印象>
今後、よりわかりやすい計量表示を行なうための検討として、事前に委員会で作成した数種の表示案について、その印象を伺いました。そのうち、洗濯物の目安重量(kg数)と衣類のイラストを併記して洗剤の適量を示した案については、わかりやすいとの評価を受けました。しかし、自分の洗濯物とは合わないと考える人が多いようでした。同じく、「洗剤の使用量が適正より少ないと衣類の黒ずみなどの原因になる」との注意書きについても、自分には当てはまらないと感じた人が多いようでした。
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