油脂、及び石けん・洗剤の原料に関する
新規用途開発研究助成
<第1回 研究報告会> を開催
油脂製品部会は油脂化学(オレオケミカル)の世界的な動向の把握や、製品原料となる油脂や誘導体の調査、当研究助成の運用などを中心に活動しています。
日本石鹸洗剤工業会 油脂製品部会
城詰 秀尊 部会長
(株式会社ADEKA 取締役社長)
開会挨拶より
2000年代は欧州を中心にバイオディーゼル燃料(BDF)が普及し、副生グリセリンの増加が見込まれていました。その有効利用のため、当工業会は2007年に『グリセリン新規用途開発研究助成』を創設し、以来、大学などの教育機関や研究機関におけるオレオケミカル研究者の創出という役割も果たしてきました。
その後、時代の変化や国際的な情勢を鑑みて、2023年度からは、助成の対象範囲をグリセリンに限らず、業界としてのサステナブルな取り組みを加速するテーマや、企業が投資しにくい基礎研究分野に拡大しました。新たに『油脂、及び石けん・洗剤の原料に関する新規用途開発研究助成』と銘打ち、石鹸洗剤工業会に資する研究を募っています。
その一回目の研究助成対象者である、秋 庸裕さんと、川野 真太郎さんのお二人から、一年間の研究成果をご発表いただく機会として、このたびの報告会を開催する運びとなりました。(概要は下記の通りです)
<第1回研究報告会>※1演題
- 広島大学大学院 総合生命科学研究科
教授 秋 庸裕 氏
「カーボンリサイクルによる有用油脂生産技術の開発」※2
- 地方独立行政法人 大阪産業技術研究所森之宮センター
生物・生活材料研究部 界面活性剤研究室
主任研究員 川野 真太郎 氏
「高タフネス性を有する水-グリセロール混合系
超高分子架橋ハイドロゲルの創製」※3
※1.2024年7月2日に実施、約30人が聴講しました。
※2.カーボンリサイクル技術研究の一端として、油糧微生物オーランチオキトリウム属を活用した二段階発酵により生産される脂肪酸に関し、トリグリセリドの長鎖を中鎖に改変する技術検討について発表いただきました。
※3.未利用資源活用の観点から、グリセロールをバイオメディカルなどに利用されるハイドロゲルの共溶媒として使うことで、広い温度範囲でのゲルの物性制御を目的とした研究について発表いただきました。
次期第4回募集は2025年6月を予定。
最新情報の更新はこちらのページで行ないます
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