界面活性剤の
環境モニタリングを続けて20年
家庭で使用された洗剤類は、生活排水の一部となって下水処理場などを通り、水環境へ出ていきます。その影響を調べるため、当工業会は洗剤類の主原料として代表的な界面活性剤4種の環境モニタリング(河川における濃度調査)を、1998年から20年以上にわたり実施してきました。
この環境モニタリングのデータをもとに生態系リスク評価を毎年行ない、環境への影響が問題のないレベルであることを確認しています。
※2017年度の環境モニタリングは257号の記事を参照


↑活動を推進する環境・安全専門委員会 吉田委員長(右)と山根副委員長
当工業会が取り組む以前に、界面活性剤の環境への影響を継続的に調べている自治体や団体はなく、1990年代半ば頃には界面活性剤は環境に悪いのでは? という漠然とした不安が一人歩きを始めていました。科学的な調査が必要だと考えた当工業会は、自主的に環境モニタリングとリスク評価に取り組むことを決めました。
その当初から、化学物質管理の先進国である欧州に学び、人に対する安全性はもとより水生生物への影響まで目を向けるなど、先進的な手法を取り入れてきました。現在もグローバルな視点から測定精度等の向上をはかり、意義の高い調査を維持するよう努めています。なお透明性を確保すべく、河川水の測定とデータ作成は第三者機関に委託しています。
20年という長期間、毎年同じ場所での定点観測というのは世界的にも類をみません。当工業会が蓄積してきたデータは、界面活性剤ごとの濃度の動向を把握するうえで貴重な資料となり、時間軸や製品流通量といったさまざまな角度からの考察を可能にしています。今後も業界全体でこの取り組みを続けてまいります。
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