手作り石けんは、法律や安全面に注意が必要です
新型コロナウイルスの感染拡大により、石けんを使った手洗いを改めて習慣にした人も多いのではないでしょうか。こまめな手洗いや衛生的な生活を日々実践するなかで、自分で石けんを手作りしてみたい、誰かにプレゼントしたい、販売したい、という声も聞かれます。
そこで、手作り石けんのおもな注意点をまとめました。
◉身体用の石けんの製造や提供に必要な許可・手続き
手洗いや身体の洗浄を目的とした石けん、ハンドソープ、ボディソープなどは薬機法※1や薬事関係法令で規制されています。石けんの製造や販売をするには、事前に化粧品製造業や化粧品製造販売業の許可を取り、化粧品製造販売届出などを済ませなければなりません。
また、石けんの使用者が成分などの品質を知るために、包装等には法律に則った表示をする義務もあります。
こうした許認可や届出、表示のない身体用の石けんなどを、製造・輸入・販売・プレゼントや無償提供することは、法律で禁じられています。
※1:「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び 安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」)
◉石けんを手作りする過程にはリスクがあります
石けん作りには一般的に、加熱した油に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加えて混ぜる工程があります。水酸化ナトリウムは劇物で、肌に触れたり目に入ったりすると健康被害の危険性があります。化学の知識を持つ専門家の立ち会いがない家庭などで石けんを作ることはリスクを伴います。
◉手作り石けんには品質確認の仕組みがありません
石けんを手作りして自分だけが使う分には、法律違反にはなりません。しかし手作り石けんには、成分の安全性や品質に問題がないことを確認する仕組みがなく、品質が不確かなものを身体に用いることにはリスクがあります。そのため当工業会は手作り石けんの製造や使用をおすすめしません。
◉許認可の申請や届出などの手続きについては 厚生労働省のホームページなどで確認してください 『薬事関係法令に係る行政手続について』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite
/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/newpage_00843.html)
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