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2008年6月16日更新
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参照カテゴリ> #06.CLEANAGE No.214 

*コープの新たな「衣料用洗剤」の取り組み


 

今年後半からLAS系と蛍光増白剤入り洗剤の品揃えを準備
生活協同組合コープかながわ 理事
常務執行役員 組織本部長

丸 山 善 弘 さんにお話を聞きました
「組合員のくらしを守る」とは、どういうことなのか。商品という“ 窓" から学習をすすめています。

ープかながわでは、LAS系と蛍光増白剤入り洗剤は、これまで「 従来取り扱っていない商品」のリストに入っていました。それについて、昨年から「衣料用洗剤の新たな取り組み」に向けて、リスク管理委員会などでの検討を重ねてきました。その結果、2008年後半からLAS系洗剤と蛍光増白剤入りの一般メーカー商品の品揃えを開始することになりました。
 そこに至るまでは、リスクコミュニケーションの場を全体および各地区で重ね、その報告を繰り返し情報提供し、やりとりしていくといった手順が重要でした。
 実は、この洗剤は運動の経過をふまえ、「こだわり」のある商品として、“ 最後まで残っていた" ものでした。その理由は、これがいちばんコープの原点に近い問題であったからです。60年代の泡だらけの河川をはじめとした洗剤問題は、それがわたしたちのくらしの中でいちばん最初に実感され、意識にのぼった環境問題でした。消費者が、目覚め、気づくきっかけになったものでもあった、といえます。
 そういった歴史を経てきているだけに、洗剤の政策変更は、心配する組合員が多いのも事実です。

かし、わたしたちコープが最も大切にしていることは、「社会的な責任を負っている」ということです。社会に通用する、公正な評価を基盤にするということです。ウソをいって商売をするなどは論外としても、「危ない」と脅したり、不安をかきたてて商品を売るようなことがあってはならないと。常に最新の科学的知見、情報に基づいて、評価をした商品を提供しなければなりません。その結果、これまでのコープの方針や考え方が間違っていたとか、正確でなかったということがあれば、それも含めて訂正していかなければならないと考えています。過去に人々が誤解していたとして、その誤解を積極的に正そうとしなかったとしたら、それも問題です。そういうことも、ていねいに時間をかけて説明していきたい。
 ひょっとすると、組合員からは「あのときにはこんなふうに言ったじゃないの」と言われることもあるかも知れません。それでも、漠とした不安で語られた情報ではなく、常にあるべき判断に修正しつつ、原点に立ち返っていくことが大切なのです。それこそは、「消費者力」を備えた、かしこい消費者になるという、そもそも自分たちが標榜しているポリシーにも、大きくかかわってくることでもあるからです。

コープで扱う商品は、この「商品ガイド」に示されている基準によって精選され、組合員は公開されたいろいろな情報を学習していきます…


とえば、かつて消費者が運動した結果、有リン洗剤が無リンに切り替わったということは、すごいことです。洗剤の界面活性剤が、より分解性の高いものに改善されていったというのも、たいしたことです。そういった社会を変える力になってきた消費者の活動は、正当に評価されるべきです。きちんと評価しないと、これまで取り組んできたことを否定することにもつながります。
 くらしをよくするための活動という、大きな流れのなかでは、当然試行錯誤もあります。大切なことは、組合員といっしょに家族の健康を考えたり、ときには食卓から世界を考えもするバランスだと思っています。
 洗剤の問題でいえば、その解決のためには、家庭からの雑排水を含めて考えなければならず、それは下水道の問題でもあったり、広く水環境をどう守っていくかという課題です。

の基本に「コープの洗剤 4つの願い」というのがあります。「1. 人に安全で、環境への負荷が少ない洗剤 2. 使いやすく、洗浄力がある洗剤 3. ムダを省き、安価に利用できる洗剤 4. 原料資源がなくなる心配のない洗剤」というものです。それにのっとってコープ商品である「エコット」などの洗剤も開発してきました。この4つの願いをもとに、LAS系洗剤や蛍光増白剤を考えたとき、「組合員のくらしを守る」とはどういうことなのか、あらためて検討する必要がありました。
 組合員が洗剤について考えるヒント、話題を発信する目的で、『商品くらぶ』という情報誌に、昨年から連載を始めるなど、さまざまな媒体を使って情報を発信してきました。また、大学の先生や研究機関、そして日本石鹸洗剤工業会にも協力いただいて、シンポジュウムや勉強会も設けてきました。そうしたことを総合して、ユーコープ全体で水環境を守る取り組みについて、新たなスタートをきることになりました。

取り引き先などからみれば、非常にまどろっこしい、効率的でないやり方にみえるかも知れませんが、わたしたちコープは、流通業であると同時に、消費者団体であるという二つの側面をもっています。どちらも最終的には組合員の利益になることを目指していますが、その過程で「組合員といっしょに」ということを重視しています。
 “ 商品は窓" であり、そこからいろいろな景色がみえる。多様な価値観を前提に、よりたくさんの手と手をつないでいく。そんなコープをめざしています。 (談)


「コープかながわ」
 1946(昭和21)年の設立。戦後の食料不足のなかで食べ物をいかに確保し、適正な配給の受け皿をつくるかという、差し迫った目的から始まった。設立当初から、日本の消費者運動のなかで、大きな役割を果たす存在でもあった。
 現在では、県内世帯会員が117万世帯、月一回以上の利用世帯は58 万世帯。年商約1,400億円(店舗売上げ800億円・宅配売上げ600億円)の規模を誇る。
 コープ独自の商品開発にも積極的に力を入れてきて、独自ブランドもコープ陣営でいちばん多くもっていたが、今後はそれにこだわるよりも、全国組織である日本生協連との連携も強化しながら、より高い安全性と低価格を追求した商品開発に結集していく方針だという。



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