PL相談センターは製造物責任法(PL法)の制定に伴い、1995年に設立されました。中立的な第三者機関の立場から、化学製品とPL法に関する電話相談に対応しており、当工業会はサポーティングスタッフとして協力しています。
化学製品PL相談センターのホームページhttps://www.nikkakyo.org/plcenter
・2020年度の全相談件数は158%に増加
全相談件数は432件で、前年度比約158%と大幅に増加しました。相談は前年度の2020年2月から急増し、4月〜6月には過去平均件数の3倍近く寄せられました。
内容別では、事故や品質への苦情などのクレーム関連相談が計140件でやや増加、被害を伴わない一般相談が289件で前年度比193%と大きく伸長しました。
・相談内容の傾向1-事故クレーム・品質クレーム関連
クレーム関連では、身体被害(体調不良や皮膚障害など)の相談が計82件ありました。化学製品のにおい(柔軟仕上げ剤・芳香消臭剤などの日用品や、家具や建材などに由来する)に関する相談では、商品群別で抗菌剤・除菌剤が26件と最多、柔軟仕上げ剤は10件でした。
・相談内容の傾向2-新型コロナに関連する相談
新型コロナウイルス感染症に関連した相談は155件あり、全相談の約 36% を占めました。内容の多くは、「抗菌剤・除菌剤」という一つの商品群に集中して寄せられました。
コロナ禍でのクレーム関連相談の一例
・次亜塩素酸水を加湿器で使用して体調不良になった
・手指消毒用エタノールが飛び散り目に入った
・消毒用エタノールをフローリングに使用して白く変色
・製品を安全に使用するために、基本的な情報の整備を
抗菌剤・除菌剤は感染症対策で急速に消費が拡大しました。その一方で、効果や安全性に関する正しい情報を取得しにくい状況があり、成分や濃度、使用方法などの情報の不備・不足も少なくなかったと推察されます。
消費者には、目的にかなう製品を見分けるリテラシーが必要ですが、それには、信頼できる情報が整理され、一般にわかりやすく提供されていることが大切です。公的機関や業界団体にはそうした役割が求められており、当センターも有益な情報の発信に努めていきます。