洗濯用粉末合成洗剤の生産量が、粉末石鹸の生産量を上回ったのは、1963(昭和38)年のことでした。その翌年には、液体タイプも登場しましたが、粉末洗剤が主役の座を守り続け、粉末優位の構図は、約46年間変わることがありませんでした。
しかし昨年の10月、製品販売統計の国内メーカー販売金額ベース、販売量ベースの両方で、液体洗剤が粉末洗剤を上回りました。単月とはいえ、史上初めてのことです。そこで、2010年第4四半期の販売金額に着目してみると、粉末の288億3700万円に対して、液体は287億8900万円と、ほぼ同等でした。2010年の液体の伸び率は実に39%増(2009年比)となり、一方、粉末は11%減でした。液体洗剤が主役に躍り出るのも間近とみられます。
この統計数値を見る際に無視できないのが、超コンパクト液体洗剤の存在です。2009年に登場して以来、すすぎが1回で済むことや、従来は衣類3kgの洗濯に20〜25gの洗剤を必要としたのが、半分以下の10gでまかなえるようになったことが消費者に受け入れられ、順調に普及しています。
これを踏まえれば、2010年統計では、液体が粉末を逆転してはいないものの、すでに液体洗剤が粉末洗剤を追い抜いている、とみることができそうです。
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