日本石鹸洗剤工業会(JSDA)
home JSDA概要 沿革 組織・会員 統計 資料・刊行物 リンク 総目次 English
JSDAの活動 安全と環境 石けん洗剤知識 役立つ情報 クリーンキャンペーン CLEAN AGE
2012年6月15日更新
*部会・常設委員会紹介 *目次へ 
参照カテゴリ> #03.委員会 #02.安全 #02.CLEAN AGE 230号 

油脂製品部会
石鹸部会
 
薬事対策専門委員会
洗浄剤部会
 
洗たく科学専門委員会

法務・労働委員会
資材委員会
環境委員会
 
環境・安全専門委員会
 容器・廃棄物専門委員会
広報委員会
 
編集専門委員会
 
コミュニケーション推進専門委員会
技術委員会
 
油脂製品技術専門委員会
 石鹸技術専門委員会
 洗浄剤技術専門委員会
 
知的財産専門委員会
商流委員会
統計・情報委員会
国際委員会


製品容器や包装材料の
減量化を推進しています

容器・廃棄物専門委員会の活動

容器・廃棄物専門委員会 委員長
柳 田 康 一

2012年CLEAN AGE230号に掲載
過去の活動についてはこちら→

 容器・廃棄物専門委員会は、日本石鹸洗剤工業会の環境委員会の傘下にある専門委員会です。業界製品の容器包装におけるプラスチック使用量削減の取り組みなど、近年の活動状況について柳田康一委員長(花王株式会社 環境・安全推進本部 部長)にお話を伺いました。

 

 日本石鹸洗剤工業会は、長年にわたり容器包装プラスチックの使用量に関して業界全体での実態把握を行なうとともに、会員各社においては使用量削減に努力してきました。特に2006年からは、自主行動計画として削減の数値目標を設定して推進しています。当委員会は、この検討に携わっています。

 2006年の第一次計画では、2010年までに製品内容物重量あたりの容器包装プラスチック使用量を、95年比で30%削減する目標を設定しましたが、実際には37%の削減を達成しました。引き続き第二次計画として、2015年までに95年比40%の削減を掲げています。第一次の実績に対しわずか3%の上乗せですが、かなり厳しい目標と認識しています。

 プラスチック削減には、ボトルを薄くする、パーツ数を減らすなど種々の方法がありますが、最も効果的なのが詰め替え・付け替え用容器の普及です。詰め替え用パウチは本品ボトルに対して、プラスチック使用量が5〜10分の1になるので、本品ボトルからの転換を図ることが有効打になります。お客様のご理解もあり、詰め替え・付け替え用製品への転換率は70%以上まであがってきました。洗剤類を10個市場に出したとしたら、3個が本品ボトル、7個が詰め替え用パウチなどという割合です。ただ、通常、新製品の発売はボトルになりますから、転換率は100%にはならず、どこかで限界となります。

 そのため、対象となる製品群を8つのカテゴリーに分けて、それぞれの転換率をみていくような細かい対応をしています。例えばシャンプー・リンスのカテゴリーでは新製品の発売が頻繁だったり、ボトルのセット販売をすることもあるので、転換率はなかなか上がりづらい傾向にあります。こういった解析をしながら、まだこれから転換率を上げていけそうなカテゴリーの状況を見える化し、各社に情報発信しています。


 

 2008年からは、新たな取り組みとして個別商品のプラスチック削減事例の公開を始め、そのとりまとめを委員会が担当しています。過去4年間で100近くの事例を紹介してきました。

 工業会で決めた目標に対し、どんな切り口でプラスチック使用量を削減していくかは、各社に委ねられています。事例には詰め替え用パウチやボトルの軽量化だけでなく、付属する台紙やビニール袋についても形体や素材を検討して、少しでも削減していこうとの工夫が多数みられます。最近は、単純にボトルを薄くするなどの方法以外に、発想の転換や技術検討による細やかな工夫が増えてきたように感じています。

 容器というのは、本来の内容物を保存するとの目的以外に、強度や耐性、使い勝手などの要件があり、そのうえでプラスチック使用量を削減し、コストも考えなければなりません。見栄えも重要なので、簡素化と両立させるのは難しいことです。容器メーカー様とも協力し、試作を繰り返しながら、いろいろな要件を満たす新しい容器や技術を開発していくのだから、各社の担当者は大変なんです。そういう工夫や技術開発は各社でやるとしても、事例を公開して情報共有していけば、業界全体としてのプラスチック使用量も下がってくるはずですし、さらには他業界の方にも参考にしていただけると思っています。

 いまお話ししたような長期にわたる調査データや事例を、特定の工業会が公開している例はあまりないようですが、当工業会の取り組みを、広く外部の方に理解していただく意義はたいへん大きいと思います。こういったコミュニケーションをしっかりやっていくことで、その結果、詰め替え用パウチのような取り組みも社会に徐々に受け入れられ、お客様の手に取っていただけるようになったのだと考えています。当工業会は国際会議などでも、日本の詰め替え用製品の先進性について紹介していますが、転換率の高さなどは海外では非常に驚かれます。環境負荷の低い容器包装を活用する日本の技術が、海外で採用されていくことも充分考えられるでしょう。

 

 委員会は容器包装の関連団体とも連携しながら活動していて、技術面のほか、環境問題や法制への対応についても随時意見交換しています。今後は、資源やエネルギーの枯渇、温室効果ガスや廃棄物の問題などにからみ、容器包装におけるプラスチック使用量削減への期待は広がる一方です。しかし、新しい形体の容器包装が安定的に製品に採用されるまでには、品質や使い勝手のチェック、製造方法の検討などに長い時間が費やされます。環境問題のように大きな課題に対しても、様々な努力の積み重ねで対応していく分野なのです。委員会としても社会に貢献できるよう、地道な活動をしっかり進め、成果につなげていければと考えています。


▲上へ

HOMEJSDAの活動安全と環境誤飲誤用石けん洗剤知識役立つ情報クリーンキャンペーンCLEAN AGEこどものページJSDA概要沿革組織 会員統計資料 刊行物リンク総目次English

日本石鹸洗剤工業会 (JSDA)

© Japan Soap and Detergent Association 2000